麗華

海星

第1話 世界で一番愛しい人

この世界の星の数ほど居る人間ひとたちのうち、

何人の人がれいの存在を見えるだろうか。認めてくれるだろうか。


何度も彼女とも話した。

「お前の存在をわかって欲しい。認めて欲しい。」と。

けど彼女は、

「別にいいよ。あたしはあたし。てか逆に見えたら見えたで面倒くさくない?あんたどれだけの男を敵に回す気?」と返してくれていた。


いや、まぁそれも事実だ。


他の男に麗華を見て欲しくない。

取られたくない。

本当に本気で馬鹿みたいにそう思うから。


でも本当に本当に、麗華はここにいる。生きてる。僕のそばで。そりゃ確かに普通の人間みたいにはっきりとは見えない。でもそれなりに居てそれなりに見えて、手だって繋げる。ちょっとだけ僕より背が高いから、抱き寄せてもくれるし、頭を撫でてもくれる。


子供の頃から変わらない。

4つ上の優しい(?)お姉さん。




―――――――――だけど僕には普通の家庭がある。子供も居る。


けど僕は麗華と手を繋ぎ、心より麗華を愛し、24時間365日僕らは一緒に生きてる。


人格とかじゃない。きっとだれもわかってくれない。


でも確かに、ここに、ここで生きている。

今だって僕の腕の中にいる。


世界で一番愛しい人。

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