本編①-11

ねぇ、聴いて。

これは、俺と初恋だった人の物語。



俺を部屋に招き入れた咲也くんは、

慣れた手つきで俺のワイシャツのボタンをするりと外していった。


そのまま咲也くんはズボンのチャックに手を伸ばす。パンツの上からでもわかるほど俺の昂りは膨張していた。


プリンのような色の髪を耳にかけて、

俺の昂りを口にくわえる咲也くんの姿と、

初めてされるフェラチオに童貞心がくすぐられる。


俺が咲也くんを眺めているうちに、

咲也くんは自分で後孔を解して、

俺の昂りを後ろから飲み込んだ。


咲也くんの華奢な肩が小刻みに揺れる度に、

俺の昂りに熱が篭もっていく。


本当はずっと

あんたとこうなりたいと思ってたんだ。


快楽と独占欲に頭が支配された俺は、

跨る咲也くんを反対に押し倒した。


本当にこれが最後なの?

ずっと愛しかったあんたを離したくない。


「咲也っ.....好っ、」


咲也くんはキスで俺の言葉を遮る。

伝えさせてもくれない。


一方通行すぎる思い。

それでも止められないから。


俺は咲也くんのうなじを強く噛んだ。


「痛っ...。」


初めて咲也くんがうなる。

大きな歯型にうっすらと血が滲んでいた。


この傷が、一生消えなければいいのに。

そしたら、咲也くんは嫌でも俺を思い出す。


俺が一生あんたを忘れられないように、

あんたも俺を忘れようなんて思うな。


ほとぼりが冷めるまで、

俺は咲也くんの身体に俺の痕を残し続けた。

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