第29話 嫁とLOCK
俺とソジュンは魔王の間で正座させられていた。門限を2時間、いや2ヶ月もオーバーしたからだ。そもそもこの世界には正座させて反省させるなどという概念は無いはずだが、またエマちゃんがどこかから異世界情報を仕入れてきたのだろう。
「2人でどこで遊んでいたのよ!」
ツアレが俺たちを問い詰める。エマちゃんは腕を組んで玉座に鎮座している。
「いや、仕事だったんです・・。」
「どんな仕事なのよ!」
「ナイチンゲールを使って人を殺してました。途中鶏頭の怪人が出てきたのでそれも殺しました。」
「それのどこが仕事なのよ!遊びじゃないの!私も連れてってよ!」
「いやいや、スキル持ちがいて苦戦したんだよ!」
ソジュンは何も言葉を発しなかった。エマちゃんも何もしゃべらないから父と娘の口喧嘩だ。そんな言い争いをしてるとエマちゃんがすくっと立ち上がった。
「ソジュンは義父に言われて逆らえなかったんだろう。だから井上には罰を与えなければならない。魔改造の刑だな。ほら、皆のもの!」
周囲に侍っていた魔族幹部たちが一斉に叫びだした。
「魔王様の言うことは、絶対ー!」
「井上、決まりだ。どんな魔改造がいい?背中から手を生やして4本にするとか、尻から脚を生やすとか、いろいろあるぞ!」
俺は戦慄した。異形の人間にされたらたまらない。
「あ、あれ。ソジュンにも施した、不老のやつ!」
「あれか。」
エマちゃんは少し考えた。
「あれは壮絶な苦しみだぞ?お前に耐えられるか。」
「そうなの?ソジュンは耐えられたんだろ。」
「ソジュンは顔色一つ変えなかった。見上げた男だ。」
「じゃあ俺にも試してくれよ。俺も耐えきってみせる!」
やる気だけは人一倍あった。なぜなら異世界に逗留しすぎてヨボヨボになった田中の様にはなりたくなかったからだ。
「殊勝な心がけだ。アバドン、井上を連れて行け。あと、苦しみをバニシングで消そうなどという姑息な手は考えるなよ。臓器が無くなって死んじゃうよ。」
俺はコンクリート打ちっぱなしのような何もない部屋に移された。もっとも、魔王城はどこもかしこもこんな感じであるが。
「ここに首を通せ。」
アバドンは首枷付きの椅子を持ってきた。パッと見ただけだが、首枷の後ろには大きなネジのようなものがついていた。大人しく首枷を付け、椅子に座った。途中、アバドンから別の魔人に交代した。アバドンだと身体が大きすぎて微調整ができないかららしい。で、何の微調整をするかと言うと、その首の後ろのネジを徐々に締めていくようだ。
「おい!これっていずれ窒息するやつじゃん!」
部屋の中にはいつの間にかエマちゃんとツアレがいた。
「ハハハハ!」
2人は腹を抱えて笑っていた。
「おい!拷問かよ!」
腕は後ろ手に組まれ手枷をはめられている。
「バニシング!バニシング!バニシング!」
必死に首枷を消そうとしたが無理だった。部屋自体に魔法無効の効果が付与されているらしい。首枷は徐々に、だが確実に俺の首を圧迫し、声も出せなくなった。相変わらず2人は笑い転げている。
完全に息ができなくなった。顔が鬱血しているのが分かる。
「死」
その一文字が頭によぎった瞬間、首枷が解除された。
「あーおかしかった。」
「ゲホッゲホッ!笑い事じゃねーよ!」
「じゃあ次の工程に移ります。このベッドに横になってください。」
首枷を締め付けていた女の魔人は健康診断の如く淡々と俺をベッドに横たわらさせた。心電図検査でもするかのようだったが、違った。いきなりハンマーで脳天に釘を打ち付けられた。
「うぎゃー!」
その姿を見てまたしても2人は笑い転げていた。
「ほら、井上、次はオデコにいくぞ!」
「なんなんだよ、この施術は!せめて麻酔してくれよ!」
「は?マスイ?」
「ウギャー!!」
オデコに釘を打ち付けられた。
「次は喉ですよ。」
「麻酔してくれよ!アレだよアレ。痛み消すやつだよ。エマちゃんのマン汁でいいよ!唾液でもいい!」
「なんだ、ずいぶんご無沙汰だったくせに釘打たれて欲情したのけ。しかたないな。」
エマちゃんにヨダレを顔に垂らしてもらった。直後喉に釘を打たれたが、なんか痛みが緩和した気がした。
「次、耳の穴いきますね〜。」
「耳だってよ!エマちゃん!クンニさせてください!お願いします!」
「お前、施術しづらくなっちゃうじゃん。でもいいよ。特別に舐めさせてやる。」
釘は一際長く、左耳から右耳まで貫通した。しかしマン汁のおかげで寧ろ快感になった。しかもフル勃起した。
「最後心臓でーす。」
「エマちゃん!もう挿れさせて!挿れさせてくれないと死んじゃうよ!」
「愛してる?愛してるってことでしょ??」
「愛してるよ!ラブラブ愛してる!」
「ガン!ザシュ!ヌポ!ドピュッ!」
ぶっとい釘が心臓に打ち込まれぶっといチンポがエマちゃんに突き刺さり、射精した。
「くぁwせdrftgyふじこlp!」
俺は絶叫とも嗚咽とも悲鳴とも取れない声を口から吐いた。それを聴いたエマちゃんは大変満足したようだった。
嫁は、嫁は、嫁は
悲鳴が好きー
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