幸せの黄色い新幹線

Hugo Kirara3500

殺伐とした駅のホームに差し込む一筋の光

 リモートワークとはまず縁のない職業柄の私。毎日、駅の改札をくぐるたびに憂鬱になって、そして仕事に使えたはずの体力とスタミナが無益に浪費される朝の通勤ラッシュ。武蔵小杉駅の横須賀線ホームに立つたびに感じる人津波にむせる毎日。行きは二方向しかないから新宿に行きたい私は青い線の入った電車を避けるだけでいいので乗り間違えたりすることはないからまぁ、簡単。帰りは南方向ならどの列車に乗ってもいいけど、大船、逗子ずし、平塚、国府津こうづ、小田原、海老名と様々な行き先がある中でほとんどの列車はそのまま行けるので言うほどは難しくはない。ただし、大崎止まりと新木場行だけは乗り換える必要があるのでめんどくさいときは選ばないようにする。たまに寝過ごして気づいたときは二宮だったり大和だったりしてどっと疲れが出たりしたこともあったなぁ。大和のときは逆方向の電車にあわてて乗ったら武蔵小杉に戻ったのはいいけどそこは「武蔵小杉駅」だったので苦笑いした事もあった。


 そんな事を考えていたら、突然周りが騒ぎ出した。そしてすぐに、噂によるともうすぐ姿を消すという「幸せの黄色い新幹線ドクターイエロー」が目の前にさっそうと現れ、そして過ぎ去っていった。私はそれを見てニッコリしながらスマホのカメラに収めた。殺気立った通勤ラッシュの中でのささやかなうれしさを感じたのです。

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