キミの好きなもの

影山 みはつ

第1話  キミは

「優樹、おはよう」と琴葉が優樹に挨拶をした。

優樹は「おはようございます。琴葉さん」と身体を真っ直ぐにピンと立てて挨拶を返した。

琴葉が「何そんなに緊張して居るの?」と優樹に話し掛けた。

優樹は「あ、すみません。ただ私よりも琴葉さんが年上なので緊張してしまって」と額から汗が出て居た。

琴葉が「しょうがないわね?」と優樹の脇をくすぐった。

優樹が「何をするんですか?私は、こんな事では臆しませんよ」と横目でふざけて笑った。

恒章が「よ、お前ら本当に仲良しなのな?羨ましい」と琴葉達を見て、何やらニヤけていた。

琴葉が「ほぉー?そんな恒章さんこそ、仲良しは居ないのかしら?」と恒章に詰め寄った。

恒章が「な?龍彦、お前も俺と仲良しだよな?」と龍彦を他所に、龍彦の腕を掴んだ。

龍彦が「な、何をする。僕は、そんなふざけた遊びはしたくない」と恒章の手を払い除けた。

恒章は「お前冷たいのな?それだから、お前友達が居ないんだぞ」と龍彦に話をした。

龍彦は「そんな事は僕だって分かっては居るけど、冗談が言えないし嫌いだから」と恒章に冷たく接した。

花蓮が「龍彦君?」と龍彦の背後から声が聞こえて来た。

龍彦が背後を振り返ると、足は程よく肉付きがあり、ルーズソックスを履いている花蓮がこちらに向かってやって来た。

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