12
わたしの顔が熱くなる。
「……あ、今のなしで」
「いや、可愛いからありで」
わたしはイチゴのホワイトチョコレートが入った袋に手を伸ばす。
指と指が触れた瞬間、足音が近づいてくる。
グイッ。
「
「
「声が聞こえた気がしたけど気のせいか」
担任の男の先生が教室の前を通るのが分かり、足音が遠のいていく。
「はー、セーフだったな」
「うん……」
「
「あ、うん」
え、自分が食べるんじゃ……?
「どう? 美味しい?」
「うん、甘い…」
微笑むと
甘いオレンジと深いブルーが混ざり込んだキラキラな光がわたし達を暖かく包み込む。
そして……ふわっ。
少し空いていた窓から春風が入り、カーテンがまるでドレスのように広がった。
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