いろいろな考え方があるし、平等はあり得ない
星咲 紗和(ほしざき さわ)
第1話 視点の限界と偏り
私たちは日々、無数の情報に触れています。テレビや新聞、SNS、友人との会話――これらは、一見すると多様な視点を提供しているように見えます。しかし、それらが実は特定の価値観や偏りに基づいていることを、どれだけ意識しているでしょうか?
例えばニュース。取り上げられる出来事やその報じ方には、報道機関や記者の意図が少なからず反映されています。同じ事件でも、あるメディアでは加害者を擁護する視点が目立ち、別のメディアでは被害者の苦しみに焦点が当てられる。そのどちらも「事実」である一方で、どちらも「一部」にすぎません。
SNSではさらに顕著です。アルゴリズムによって、自分が関心を持つ情報ばかりが流れるように設計されています。その結果、私たちは「自分の世界が全て」と錯覚しやすくなり、異なる意見を目にする機会を自ら狭めているのです。こうした偏った環境にいると、無意識のうちに自分と異なる考え方を排除し、「これが正しい」と思い込んでしまう危険があります。
しかし、世の中には無数の価値観や生活が存在します。誰かにとっては「当たり前」のことが、別の誰かにとっては「非常識」かもしれない。たとえば、田舎の生活が好きな人もいれば、都会の喧騒を愛する人もいる。それぞれの価値観に優劣はなく、どちらもその人にとっての「正解」なのです。
では、どうすれば私たちは偏りを少しでも減らし、多様な視点を持てるようになるのでしょうか?それにはまず、自分が何を見て、何を信じているのかを冷静に振り返ることが重要です。そして、たとえ不快に感じる意見であっても、一度は耳を傾ける姿勢を持つこと。それが「他者を思いやる心」に繋がり、多様性を受け入れる第一歩になるのではないでしょうか。
このエッセイを通じて、私自身も偏見や固定観念にとらわれない視点を模索していきたいと思います。そして、皆さんにも「自分の頭で考える」きっかけを提供できればと願っています。
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