05

顔を向けると、ハナちゃんはいつもの笑顔じゃなかった。

普段あまり見せない真剣な、顔。



「ど、どうしたの?」


「……ずっとね、言えなかった事があるの。言葉にしたら変わるんじゃないかって、終わるんじゃないかって思ったら、言えなかった」


「ハナ、ちゃん……?」


「でも、私が言う前に地球が終わっちゃうから、言うんだ」



にこっと、またいつものハナちゃんの笑顔に戻る。

でも、その顔は僕と同じで『覚悟』を決めていた。



「あのね、タロちゃん」



瞬間、僕の体は何かを悟った。

僕には分からなかったけど、外側は悟って、拳を握り、何かを考える前に口を大きく開いた。

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