第26話

「あ……」



なんで殴ったそっちの方が涙目なのよ!


あたしの方が痛いっつーの!


こいつも今更オドオドしてるし、暴力女だったことにショックだったの?それとも、あたしのこと、今になって分かったの?



「な、なつこ!ごめん!お、おれ、こいつが、その……やべー方の中野だって知らなくて……!」



あたし、かわいいで有名だと思うんだけどな〜


今更顔知らないやつとかいるんだ


というかやべー方とはなによ、あたしやばくないわよ



「うっ、うぅ……

てつやくんのバカぁ!!」



あ〜あ、彼女もありきたりな捨て台詞吐いて言っちゃったよ


もう少し楽しみたかったのになぁ〜



で、こいつは追いかけなくていいの?自分の彼女なのに?


って奪ったのあたしか〜!



「あ、あの、中野……さん!」


「なぁに?」


「おれ、なつこ……彼女が暴力振るうやつだなんて知らなくて……言った通り別れて正解だったよ!

だからさ、約束通り、付き合ってくれる……んだよな?」


「えぇ〜?あたし、そんなこと言ったっけ〜?

デスティニーランドくらいには付き合ってあげるかもしれないし、付き合わないかもしれないし〜じゃなかったぁ?」


「じゃ、じゃあ、デスティニーランドに……」


「行くわけないじゃ〜ん?こんなブサイクと」

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