STORY1 古崎 リリカ
第2話
【
「フルサキ〜、どこ見てんだ、集中しろ〜」
またか。
「先生、私は
「悪い悪い、去年までその漢字でフルサキって生徒がいたから抜けなくてな」
絶対ウソだ。あれは
彼は
高校2年生の私からすると30歳なんておじさんだけど、さっぱりした見た目と親しみやすい性格のおかげか、女子だけでなく男子からも人気がある。
そして、左手に輝いているのは……
結婚指輪だ。
それを横目に見ながら、いつもの掛け合いが始まる。
「去年って言っても、新見先生、この学校来てから半年経つじゃないですか」
「そうだったか?30にもなると時が過ぎるのが早くてな、俺の記憶スピードが現実の時間に追いつかないんだよ」
「そしたら先生、認知症まっしぐらですね。私は介護しませんよ」
「……誰も君に頼んでない」
「突っ込むところそこですか?」
「いいから手を動かせ、口じゃなくて」
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