19
行為が終わった後、余韻に浸りながら綾部先輩は後ろから優しく抱きしめてくれた。
まるで宝物のように、私の頭を撫でる温度が心地いい。
月の光で光る綾部先輩のピアスが、とても綺麗。
「……綾部先輩、お願いがあるんですけど」
「いいよ。なんでも、してあげる」
朝、7時半ごろ。
いつもは8時に家を出るけど、今日はだいぶ早く家を出た。
30分出る時間が違うだけなのに、外の空気は涼しく透き通っている。
私の心の中も、同じように穏やかだ。
朝練をしてるサッカー部や、他の運動部の声、吹奏楽部の音が聞こえる中、校門をくぐり誰も居ない廊下を歩いて、あの空き教室の扉を開けた。
扉を開けると約束通り、教卓に寄りかかって立っている綾部先輩が居た。
朝早いのにも関わらず、綾部先輩は微笑み細い目で弧を描いた。
「おはよう、アカネちゃん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます