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「来月は高校美術展の締め切りだから、そろそろ締めに取り掛かってね〜」



美術顧問の日向先生が、私たち部員に声を掛ける。

美術部は1年生から3年生までで20人ほど。

同じ雰囲気の子たちが集まるから、特に騒いだりする事なくみんな黙々と自分の創作を進めている。


今回私は初めての油絵に挑戦していて、朝に散歩したときに写真で撮った、空と街の風景画を描いていた。


太陽がまだ登りきっていない空の、薄い青とほのかなオレンジ色が綺麗だったから、これを油絵具で表現したい。

手を上げ、日向先生にチェックを頼む。


キョロキョロと私たちの様子を見渡していた先生はすぐ気づいてくれて、イーゼルとイーゼルの間をすり抜け、私の隣へやって来た。



「え、すっごくいい感じだよっ。綺麗な空だね〜! ここの青の鮮やかさがとても魅力的! ここの表現さ、少し黄色入れてみたらどうかな? 加減見ながら足していったら、このオレンジのグラデーションもっと綺麗になるかも」


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