03
「来月は高校美術展の締め切りだから、そろそろ締めに取り掛かってね〜」
美術顧問の日向先生が、私たち部員に声を掛ける。
美術部は1年生から3年生までで20人ほど。
同じ雰囲気の子たちが集まるから、特に騒いだりする事なくみんな黙々と自分の創作を進めている。
今回私は初めての油絵に挑戦していて、朝に散歩したときに写真で撮った、空と街の風景画を描いていた。
太陽がまだ登りきっていない空の、薄い青とほのかなオレンジ色が綺麗だったから、これを油絵具で表現したい。
手を上げ、日向先生にチェックを頼む。
キョロキョロと私たちの様子を見渡していた先生はすぐ気づいてくれて、イーゼルとイーゼルの間をすり抜け、私の隣へやって来た。
「え、すっごくいい感じだよっ。綺麗な空だね〜! ここの青の鮮やかさがとても魅力的! ここの表現さ、少し黄色入れてみたらどうかな? 加減見ながら足していったら、このオレンジのグラデーションもっと綺麗になるかも」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます