入学式

2024年4月1日 午前9時


「ようこそ鮮血学園へ。ここのルールは一つだけ。長い人生で3年間だけしかないこの時を、高校生らしく楽しんで下さい」


体育館に拍手が鳴り響く。

校長という者は、長話が当たり前に思っていた昇にとっては、唖然とさせられた。

「続きまして…」


たった1時間で入学式は終わり、各々の教室へ向かう。

「よぉ!よーへいにも招待状来てたんだな」

180センチ以上はある長身。

金色の髪に青い目がよく似合う男に、肩組した男がいた。

「朝日(アサヒ)と一緒なんて嬉しいなー。高校でも宜しくな」

朝日と呼ばれた男も、身長は低くはなく、顔も不細工では無かった。

ただ、よーへいと呼ばれた男の隣に並ぶと見劣りしてしまう。


そんな光景を見ながら、昇も知り合いはいないか見渡す。

この場には、いそうになかった。

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