第49話
避けられない、嫌な質問をしてみる。
「・・・しゅんくん、嫌じゃないの?私・・・ずっと、他の人に抱きしめられてたんだよ・・・?」
パッと手を離したしゅんくんは。
しっかりと私を見て言う。
「・・・だったらっ!これからは俺が、もっともっと抱きしめる。彼氏に負けないくらい、これからもずーっと・・・」
泣けちゃうくらい、嬉しい答え・・・
・・・だけど・・・
「ううん・・・」
首を横に振りながら、私はしゅんくんから離れた。
(しゅんくんが好き。大好きな人が『おいで』って待ってくれてるのに・・・飛び込めないよ・・・ごめんね・・・)
「どうして?俺の気持ち、信じられない?」
悲しい顔で、しゅんくんが言った。
「・・・ユミ、言わなかった・・・?」
「なにを??」
不思議そうな、しゅんくんの顔。
(・・・最後までは聞いてないんだね・・・でもこれが事実だから・・・言わなきゃ・・・)
「・・・しゅんくんのこと知ったユウジが・・・
『他のとこ行けないようにしてやる』って言ったんだよ?」
「他って・・・俺のとこ行けないように、ってこと?」
わからなそうな顔してるしゅんくんにうなずいてから・・・恐る恐る聞いてみる。
「・・・わかってる・・・?どういうことか・・・」
「え?」
(これ以上言ったら・・・しゅんくんに嫌われてしまう・・・それでも・・・っ)
「・・・妊娠してるかも知れないって事だよ・・・?」
「・・・!?」
固まって青ざめてるしゅんくんの顔を見て、終わりを確信した。
前の彼氏の子供を妊娠してるかもしれない私なんか・・・しゅんくんのそばにいられるわけない・・・
「・・・もう、しゅんくんとは会わない。私は、しゅんくんの目・・・真っ直ぐ見られないから・・・」
そこまで言うのがやっとで、私は床にへたり込んでしまった。
(これで終わり・・・しゅんくんと・・・終わる・・・)
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