第27話
ちょっと羨ましいくらい、仲のいいユミとしゅんくん。
「そう思う?」
しゅんくんの問いに。
「うん、すごく楽しそう。」
迷わず答えた。
「ふぅ~ん・・・」
しゅんくんは納得してなさそうな声をしてたけど。
「まぁ、いいや。とにかく、同じ考えだよ、俺もユミちゃんも。
アカリには・・・
『彼氏、本当に好きか?幸せか?』って聞きたくなる。」
「・・・そうかな・・・」
「じゃあさ、好きなら・・・なんで聞かれてすぐ『うん』って答えないの?」
「・・・そっか・・・」
(そうだね。即答しないところに、私の本心が出ちゃってるんだ・・・)
「アカリ、幸せ?」
(・・・また・・・)
ユミとしゅんくんは同じ事を聞く・・・
しゅんくんの目にも、ユミから見ても・・・私は幸せそうに見えないんだろうか・・・
ユウジを好きそうに見えないんだろうか・・・
ユウジとの付き合いを思い起こしてみる。
ユウジの束縛も、大きな愛情の表れなんだと受け止めてきたこと。
違和感を感じながらも、別れを言い出す勇気のなさに、ズルズル自分をごまかしてきたこと。
そして、それを今まで誰にも話さなかったこと。
ユミにさえ・・・
しゅんくんとの電話を、長い長い沈黙のままにして、私はいろんなことを考えていた。
その間しゅんくんは、電話の向こうでずっと待っていてくれた。
『アカリ、聞いてんの?』なんて急かさずに。
私は。
そんなしゅんくんを、すごくラクだと感じていて。
気を遣わなくても大丈夫。
長い沈黙もつらくない。
安心して、そのままの自分でいられるって・・・すごく居心地が良い・・・
「・・・しゅんくんって、ラクだね・・・」
長い沈黙の後で、やっと発した言葉がこれ!?
って、自分でもあきれるけど、でも、本当に素直な気持ちだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます