第16話

ユウジと離すため、ユミは二泊三日のスノボ旅行を計画した。







『どこのゲレンデ?』

『どこのホテル?』







しつこく聞くユウジにユミは、







「アカリとゆっくり過ごしたいの!携帯も出ないからね!3日くらい、アカリ、私に独占させてよ!」







場所も、細かい日程も教えずに、ユウジをねじ伏せた。







それでもしつこく私の携帯をならしてくるユウジに。







怖気づいて出てしまおうとする私の手から携帯を奪い取って、ユミは・・・







「ねぇ、あんまりしつこいと、別れさせるよ!?3日どころか、二度とアカリと会わせないからね!」







そう言って、勝手に電源をOFFにした。







「あっ・・・」







ポカンと口を開けてる私に、







「いいの!これくらいしないと!」







ユミは、強いなぁ・・・。







勇気があって、羨ましくなる。







ユミだったら、こんな私みたいな思い、ないんだろうね。







嫌なら嫌って言えばいいんだもんね・・・







頭ではわかっていながら、それでも声にはできない私は、1人で抱えて苦しんでるだけだ・・・







ユウジと離れる開放感と、隠し事をしてる後ろめたさ。







いろんな思いを抱えながら、私とユミは、再びゲレンデへ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る