第6話

口を開けばケンカになってしまう俺たち。







それでも何となく、いつも近くにいた。







まぁ、俺は美咲と加奈しか、話せる女がいないからなんだけど。







『コクろうか?』と・・・







全く思わなかったわけでもない。







そりゃ、チャンスがあれば、俺だって・・・







・・・なんて、な。







結局、勇気がないんだ。







ダメだったら・・・?

・・・いや、きっとダメだから。







こんな冴えない俺なんか・・・ダメに決まってる。







明るくて、いつもみんなに囲まれてる美咲は・・・人気者だもんな・・・







幼なじみの加奈と美咲が仲良いから、俺も一緒にいられただけなんだ。







頭もフツー。

顔もフツー。

運動神経もフツーな俺に・・・







美咲は遠過ぎる。







今のままでいいんだ。







このまま、友達として近くにいられれば・・・







・・・卒業まで。

卒業したら・・・一人暮らしを始めたら・・・







きっと、あいつの事なんて、忘れられるはず・・・







別の場所へ出て行く美咲も・・・







俺の事なんか・・・すぐに忘れるんだろうな・・・







あと数日で、完全な別れがくる。







あいつの記憶から、俺が消えてしまう日が・・・







このままでいいのか?







ずっと好きだったのに・・・?







『拓のバ~カ!』と笑う、あの生意気な笑顔を見られなくなっても・・・?







・・・ホントに、このままでいいのかよ!?







・・・なぁ・・・!オレッッッ!!

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