ジュミル・メオール

僕はかつて、弱い人間だった。

として生まれただけのただの弱い人間として人生を過ごしていた。


小さい頃、僕は家を継ぐ為の英才教育を受けていたものの、僕にとっては厳しい現実。

だが、両親はそんな僕を見限らずに愛情を注いでくれた。

だからこそ、将来の為にも頑張ろうとしていた。


だが、小心者の僕はまだ弱いままで、よくいじめられていた。


そんな時に助けてくれたのがの人だった。


その人が僕をいじめっこ達から助けてくれた事で僕の人生の"大きな目標"が生まれた。


「僕は冒険者になる!」


両親にそれを伝えた所、当然それは反対された。

でも僕は何度も説得して、両親を納得させる事に成功した。


そして、元冒険者である専属のメイドであるミカサとアリッサをスカウトして冒険者になった。


最初は分からない事だらけだったけど、ミカサとアリッサがいたから何とか乗り越えられた。


この時、僕は今までに無いほどの解放感に満ちていた。

勉強を強いられて生きてきた昔とは違い、初めて自分の人生の目標やりたい事を打ち明けてスッキリした気分だった。


そして僕は・・・冒険者パーティー「閃光の麒麟ブラスト・コーリン」を設立した。


冒険者としてやり切る為に!




***




カイザーウルフの親子を狙う冒険者を拘束魔法により、拘束した僕は説得を続けた。


「なるべく君達を傷つけたくはない・・・だが、これ以上カイザーウルフをいじめると言うなら、僕も容赦はしないぞ!」


「く、くそお!そ、そんな脅しに引っかかる俺達じゃねえぞ!」


「ふう・・・そうか・・・仕方ないな・・・だったら・・・ふん!」


広げている手を僕はちょっとずつ握りしめて、拘束している敵の冒険者も握りつぶすかのように締めていった。


手荒な真似は正直したくはなかったが、ここまでいきたら、もう許さないぞ!!


僕は魔法による締め付けを強くした。

敵側も苦しんでいる。

最悪、死ぬほどではないが、ここまでくればもう降参せざるを得ないはずだ・・・。


「ひいいい!分かった!許してくれ!もう襲わねえから!」


「本当かい?」


僕がギロリと敵側を見つめると、相手は怯えた表情でその場を去って行った。



***



カイザーウルフの親子の危機は去り、僕たちの活躍により市長も軍に連行された。


そして、僕が言ったという宝箱についてだが・・・。


「ライアくん、これじゃないか?宝箱って?」


「ん?それっぽいな・・・よし!」


気合いを入れてライアくんが宝箱を開けてくれた。

中身は・・・?


「え?これって?」


「市長の!?」


驚いた。

お宝の正体は市長の知られたくない秘密だったんだ?

差し詰め、ウルフの親が食べ物が入っているのかと思ってくすねたと見たが、とんだ見当違いだったな・・・。


こうして僕らの合同の仕事は未達成に終わったものの、視聴の脱税を暴いた事で、ある程度の報奨金はもらえた。


「はあ・・・1000万が・・・」


「まあお金もらえただけでも良いじゃない!」


「そうそう、それに、ありがとうね!未達成とはいえ、今回の仕事、協力してくれて!」


「ああ、別に!お前がこの仕事に誘ってくれなかったらこのカイザーウルフの親子の事も知らなかったと思うし・・・」


「・・・そうだね・・・」


僕らはカイザーウルフの親子を見送った。

今度こそ平和に暮らしてほしい。

そう願い、僕らは組合ギルドへと帰って行った。

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