8:泡沫のようにさようなら 感想
お話
https://kakuyomu.jp/works/16818093087196390509/episodes/16818093088526324656
どんな場所であっても『特別な自分』から逃げることができない──それもある種の呪いなのかも知れませんね。本編中で「いつか泡のように消えるのに」と嗤った彼女の胸中も、現状も、もはや誰も知る術のないことではありますが、そうして表舞台から姿を消してもなお、語り手である店主の脳裏に焼き付いて離れることのできない彼女は、本当に『特別』なのかも知れません。
何かが特別秀でているわけでもないのに目を引いてやまず、突出したものがあるわけでもないはずなのに誰からも愛されてしまうというのは存外苦痛なのではないか──などと書いていて、ふと妄想してしまうのは、ひょっとしたら『彼女』は何か人ならざるものと契約してしまったのではないか?みたいなことなんですよね。たとえば喪黒福造とか、その辺の存在がいたりしない?と疑いたくなってしまうのが筆者の悪い癖。
そもそも泡沫のように消えたあと、恐らく忘れ去られてしまったからだとは思うのですが、そんなにあっさり話題にならなくなるものでしょうかね。定期的に消えたこと自体を話題にする人がいてもいいくらいなのに……そう、そこにはある大きな力が働いていたのです……みたいな真実が待っていそうですよね。
と言いつつ、我々も気付けばいろいろ忘れてしまったりしているんですけれどね。SNSで話題になったものだと、『アイドル養成所を装って入所金を騙しとる詐欺師のイラストがやたらと色気がある。何故ネクタイを解く必要があるのか、カァー! 卑しか男ばい! あ~~~札束で顔引っ叩いて酷いことしたいんじゃ~~~!』ということでそんな卑しいメガネ詐欺師の二次創作イラストが爆発的に投稿されていましたが、あれ今年のことなんですよね。つい最近まですっかり忘れておりました。よく別の広告に登場した通称「独り酒お兄さん」とのカップリングが組まれていたように記憶しています。
そう、つまり人は忘れていく生き物なんですよね。我、忘却を恐れる勿れ──と言いたくなってしまった方もいらっしゃるかも知れません。そんな方には是非落ち着いてほしいのですが、そうですか、どうしてもアイドルやってる幼馴染みに「お願い……。全部、忘れさせて……」と電話するのは我慢できませんか……。そのまま突き進むと仮面バンドを結成することになりそうなので、気を付けてくださいね。
本当に、どうしたら「全部、忘れさせて……」が「バンドやろうぜ」という意味合い(あくまで暫定。本当に詳細を知りたいものです)になるのか不思議ですよねというコメントを添えて、『泡沫のようにさようなら』の感想とさせていただきます。
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