ネタ系ダンジョン配信者の俺がSSS級女性冒険者達の中で人気らしい

田中又雄

第1話 はじまり

「おおきくなったら、せかいさいきょうのだんじょんぼうけんしゃになって、みんなをまもりたいです!」


 幼稚園の卒園式でそんなことを言ったのを覚えている。


 今考えれば鼻で笑ってしまう話だが、あの時は真剣にそう夢見ていた。


 しかし、夢とは現実にならないから夢で、いつか醒めるから夢なのだ。


 大きくなるにつれ、自分には冒険者としての才能がないことが分かっていき、高校生になる頃にはそんな夢すら見なくなった。


 それでも、いざ就職となった時、再びダンジョン冒険者に興味を持った。

しかし、正攻法では生き残れないことがわかっていた俺は、とある日にお笑い番組を見て閃いた。


 そうだ!これだ!俺はネタ系のダンジョン配信者になればいいんだ!


 これまで居なかった新しいジャンルの冒険者として、それなりに人気となり、普通に生活しても多少お釣りが出るくらいに稼ぐことができるようになっていた。


 そんなある日のことだった。


 ◇


「ふぅ...今日も疲れたなー」と、配信終えて家に帰ると、ポストに一通の手紙が届いていた。


 ご立派な封筒に入ったそれは、高ランクのダンジョン冒険者だけが集まるとされているパーティーの招待状だった。


 なんで俺にこれが...?と、驚きながらも、ネタ系配信者の俺としてはこれ以上にないチャンスでもあった。


 なので、もちろん参加にチェックを入れてその手紙を返送する。


 それから数日後、具体的な日程や場所が記載された紙が家に送られてくる。

 

 ...よし。


 そうして、覚悟を決めて俺はそのパーティーに乗り込んだ。

着慣れないスーツに腕を通して。


 ◇


 豪華なパーティー会場には有名プレイヤーが溢れていた。


 完全に浮いている俺のところに、1人の店員さんがやってきて、VIP席にくるように案内をされる。


 そうして、よく分からないまま着いていくと、とある豪華な一室に案内される。


 そこに居たのは世界的にも有名な女性冒険者5人だった。


 そう、全てはここから始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

ネタ系ダンジョン配信者の俺がSSS級女性冒険者達の中で人気らしい 田中又雄 @tanakamatao01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ