第13話
すると、頭の上から
「淋香。
龍の力を貸してもらえ。
あいつらなら、ここでも動けるだろ?
それから、
お前と俺の事は、鳴瀬込みの親戚スジと伝えてある。
だから俺と一緒に出ても問題ない」
『えっ、親戚?』
「あぁ、従兄妹同士だろ?」
『そう・・・ですね』
“私が悩んでいた事を、さらりとやってしまう・・・
こんな所は本当にかなわない。
けれどこれで繋がりの問題は消えた。後は・・・”
『それではあと一つ。
龍の力を借りると言われてましたが、私では・・・』
「だから、闇珠と話して、交渉しようとしていたんだが、
お前に突然変わっちまったから・・・」
『すみません・・・』
「まぁ・・・それだけお前も人に近づいたってことだ。
それはいい事だと俺は思うぞ」
『エッ・・・人に?』
「あぁ・・・お前、今まで絶対に相手に対して、責任なんて感じなかっただろ?
カチコミに行っても、暴走途中に何かあっても・・・
闇珠になって、人をぶん殴った後ですら、
お前に感情なんてなかったからなぁ。
そんなお前を俺は、人形だと思ってた。
人形に感情はいらない。
ただそこにいて、やれと言われたことをやるだけだ。
そんなお前が、龍牙の奴らに責任を感じたんだ。
十分人間に近づいてんだろ」
私は初めて知った。
圭志様が私を人形だと思っていた事。
そして、こんなに私を理解している事。
その事に私はビックリしていた。
その後、私は再びソファーに座り、闇珠と話した。
目を閉じ、意識を闇珠の元へとばす・・・
この場を片付ける為には、龍の力が必要・・・
そう判断した私達は龍の力を借りる為、問題の仕分けを始めた。
利奈さんの事は、
闇珠より龍牙をよく知っている淋の方が説明しやすい。
そしてもちろん、闇珠の事も・・・
けれどその他の件は、闇珠が仕切った方が話が早い。
組が関わり、闇と龍の交渉となると、闇珠の方が適任。
そんな感じに話を進めた。
その数分後・・・
『圭志様、闇珠との話・・・終わりました』
淋香がゆっくりと目を開けた。
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