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『
『素晴らしい』
『さすがは
「私が妹……?」
地面に横たわったまま聞き返す。
『そうだ。“本物の妹”だ』
『そして、今のがお前の本音だ』
私の両目から光が消える。
『人は窮地に陥る時、本性を表す』
『
『
「
『お前を
私達3人は驚く。
『小5の時、親父が再婚して血の繋がりがない妹が出来た』
『だが、俺の親父も新しいお袋も中1の時に内輪揉めをし出て行った』
『俺達はふたりで生きて行こうと決めキスを交わしたが、現実は甘くはなかった』
『
『そして親戚も知人もいない、他人の大人達に頼ることさえも不器用で出来なかった』
『仕送りも段々と減っていき、中1の夏、ジュースを家の近くの自動販売機で買って帰って来たら床に林檎が転がっていて、雪が倒れていた』
『そしてそのまま雪は熱中症で死んだ』
そんな……。
『雪は大人に殺されたと言っても過言ではない』
『俺はふたりで生きられなかった』
『だが、ひとりでさえも生きられなかった』
『そんな俺が辿り着いたのは暴走族の世界だった』
『族の奴らが道端に倒れていた俺を助け、俺の世話をしてくれた』
『そして冬、俺は独り立ちし、
『
『俺はひとりでもふたりでも生きられなかった』
『だがお前は違う』
『
電話が切れた。
それに
「
モデル…ガン?
「はい、総長! ここにありすさんを運んだ時、置いてあり使いました」
「
「
「連絡してくれて助かった」
「総長……髪、黒…」
「今日のことは誰にも言うんじゃねぇ。分かったな?」
「はい」
「もう帰れ」
どうしよう…
今すぐ逃げたい…だけど体がぴくりとも動かない。
冷や汗が止まらない。
「ありす!」
背中で縛られた両手のリボンをほどこうとする。
「触…らないで」
「なんで…来たの?」
「偽りの
「大嫌いでも構わねぇよ」
「ありす、帰るぞ」
拒否ったのに、
いつもぶっきら棒なのに、
なんで…そんな優しくほどくの?
「ありす?」
「はぁっ、はぁっ…」
まずい、上手く息が出来ない。
苦しい。
大嫌いって言ったくせに
だめ、なのに。
「ありす、ゆっくり息吸って吐け」
「大丈夫だ。俺がついてるからな」
「――――よし、正常に戻ったみてぇだな」
「乗れ」
「え、でも……」
高校生にもなっておんぶだなんて恥ずかしい……。
「ほら早くしろ」
私は
「相変わらず軽ぃな」
「てかお前寝れてねぇだろ」
「なんで…」
「目の下クマ出来てる」
え、クマ!?
「家に着くまで寝てろ」
こんな状態で眠れる訳ないって思ってたけど、うとうとしてきた……。
金髪の私と黒髪の
周りから見たらきっと兄妹に見えてないよね…。
それでもいいや。
私、
私はそう思いながら眠りについた。
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