メガネッコの漫才〜珍名所ver〜
もっちゃん(元貴)
ネタ 金⚪︎落としの谷
とある会場にて、あるお笑い芸能人の漫才ライブが開催されていた。
「「どうもー!メガネッコでーす!」」
人気のないお笑い芸人たちのライブなので、観客もまばらだ。
「なぁ?信吉、つい最近知ったんだけどさ、面白いイベントがあるって聞いたんだよ」
稔の言葉に、怪訝な顔をする信吉。しかし、そこは臨機応変にアドリブで返す。
「面白いイベント?へー、気になるな。どんなの?」
「それがさ、金色のボールを谷の上から転がして、誰が1番早くボールを捕まえられるかというイベントなんだよ」
「ん?どこが、面白いイベントなんだよ。ありきたりとは言わないが、普通にどこかでそういうイベントありそうだぞ」
「いや、開催している場所というか地名が由来で、そのイベントやってるようなんだけどさ、その地名が、これまた痛快な名前でさー」
「痛快な名前?どんな名前なんだよ?」
「金⚪︎落としの谷なんだよ」
「えっと‥‥‥俺の聞き間違いかな、なにやらNGワードが隣から聞こえてきたのだが、スマン、もう一回言ってくれるか?」
「だから!き・ん・た・⚪︎・お・と・し・の・た・に、だって!」
「聞き間違いじゃなかった!!」
驚きの表情を見せる信吉。
「えっ!嘘!そんな名前の地名聞いたことないぞ!マジであるの?もしあるとしたら、もっと話題になってないと可笑しいだろ。いかにもYou⚪︎uberが好きそうな場所だろう?」
「そうなんだよ、知名度がもっとあってもいいと思うんだが、でもマジであるんだよ。俺もマネージャーから聞くまで知らなかったよ」
うん、うんと頷く稔。
「マネージャー?なんでマネージャーがそこに出てくるんだよ」
「ああ、それは、1番最初に言った金色のボールを取り合うイベントがあるって言ったでしょう?そのイベントのゲストとして、俺らが呼ばれているんだよ」
「えっ!その話、俺聞いてないんだが!」
「そりゃ、そうだよ。だって俺がマネージャーに信吉には内緒にしてくれと頼んだからさ」
「なんでだよ!というか、さっきから打ち合わせのネタと全然違うんだが!」
「ごめん、こっちのネタの方が面白いし、そのイベントの宣伝になるかなと思って急遽変更したけど、信吉は頭の回転早いからアドリブでもなんとかなるだろう?」
信吉は、照れながら、「まっ、稔がそういうならいいんだけどさ。でもさ、やっぱりその地名もイベントも信じられないぞ!ドッキリなんじゃ‥‥‥」
「俺もそう思ってさっきスマホで調べたら⚪︎ikipediaに載ってるんだよ。ほら、俺のスマホ貸してあげるから見てみろよ」
稔が自分のスマホを懐から出して、信吉に渡す。
「どれどれ‥‥‥」
スマホを凝視している信吉。
「マジだ!!マジである!静岡県の城跡にあるのか。しかもその地名の名前が書いてある石碑が建っているじゃん!イベントも毎年本当にやっていて、参加していたのは子供たち‥‥‥いや、子供たちに何やらせてんの!!」
スマホに向かって鋭いツッコミを入れる。
「子供たちが喜んでいるなら、いいんじゃないか?まぁ、今回は子供たちに人気がない俺たちが呼ばれたけど、某番組のお祭り男を呼んだほうがいいんじゃないか?と思うんだよなー」
「そりゃそうだけども!悲しいこというなよ!しかし、地名の由来が書いてあるんだが、木の玉が訛って、きん⚪︎まになったんだよな?」
「ああ、そうだよ。木の玉落としの谷で良かったと思うんだが、逆に変になってる!そこが不思議だよな〜」
「不思議だよな〜、じゃないのよ!というかこのネタのオチは、どうするんだよ?」
「オチ?あるとしたら、そのイベントが今から2時間後ってことだろうか?」
「はぁ!?2時間後!今12時半で、俺たち今東京にいるんだぞ!たしか、イベント会場の城跡があるのは静岡だぞ!俺たちのスケジュール管理一体どうなってんの!」
腕時計をみながら焦りの表情を見せる。
「仕方がないだろう?同じ事務所の芸人が辞めちまってしわ寄せがきてるんだよ。しかし俺たち現場に間に合うのだろうか?」
「何、呑気なこと言ってんだ!早くイベント会場に向かうぞ!間に合わなくなるぞ!」
信吉が稔の腕を掴んで舞台袖に連れてこうとする。
「わかった!でもまだ漫才中だから、観客に最後に一言言わせてくれ!」
その鬼気迫る表情を見て、信吉は、思わず、
「時間ないから、一言だけだぞ!」
「みなさん!俺たちは、今から会場にいくので、この地名気になって詳しいことを知りたい方は各々でググってね!ではさらばなり〜」
舞台袖に、そそくさと走っていく稔。
「おい!俺をおいてくなーー!」
信吉の後を追う信吉であった。
終
次の更新予定
2024年12月3日 20:00
メガネッコの漫才〜珍名所ver〜 もっちゃん(元貴) @moChaN315
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