ショットガンガール
@kan-pan
第1話 襲撃
ドゴオォォン!
夜が明ける前の静寂を切り裂いたのは、遠方で鳴り響く爆発音だった。ラフィは、眠りを破られるように激しく叩かれる部屋の扉の音で目を覚ました。扉を開けた瞬間、血まみれの顔をした自警団の仲間が「傭兵団の襲撃だ!」と叫びながら崩れ落ちた。
ラフィの父は瞬時に状況を把握し、ラフィを強く抱きしめ守りながら隠し通路へと駆け出した。その背後では、数人の忠実な部下たちが父を守るために最後の防衛線を張り、迫り来る傭兵団と必死に戦っていた。彼らは次々と倒れながらも、力の限り戦い続けた。彼らは弾丸が尽きるまで銃を撃ち続け、一歩も退くことなく立ち向かっていた。
「団長、ここは我々に任せてください……!」
「くそっ……まだ終わっていない!」
「守るんだ……最後の瞬間まで!」
その姿には、団長である父への揺るぎない忠誠と、最後の一瞬まで守るという決意が滲んでいた。
「ラフィ、お前は必ず逃げるんだ。父さんが命に代えても守る。」
父の声は一切震えず、その目には揺るぎない覚悟が宿っていた。ラフィは父の目を見つめ、幼いながらもその決意の重さを悟った。隠し通路に身を潜め、必死に逃げ道を探る中で、背後から響く銃声と悲鳴がラフィの心に恐怖を深く刻み込んだ。
追っ手を振り切ろうと必死に、重く暗い地下通路を走り続けた。湿った空気が肺を焼くように苦しく、足元は不安定な瓦礫と泥に覆われていた。それでもラフィは父の手を離さないように必死に走った。
しかし、追っ手の足音は次第に近づいてくる。
パアァン!
その瞬間、父は身体に銃撃を受け、大きくよろめいた。
部下たちは次々と倒れ、彼らの最後の叫びが静寂に消えていく。戦場は絶望的な光景へと変わり、父の周りには守る者たちの無数の屍が横たわっていた。
「ラフィ、この銃を持って行け。この銃はお前が生き延びるための希望なんだ。」
父は手に持っていたショットガンをラフィに託し、隠し通路の奥へと彼女を強引に押し出した。ラフィは背後で轟く銃声と父の叫び声を胸に刻み込み、涙をこぼしながら走り続けた。
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