異世界へ行く

てる。

異世界の常識

第1話


「っ!!見つかったか?」

「グルゥゥゥウ」


 現代では見ることのない様な装備を身につけた青年と絶滅したはずの日本オオカミを連れ山を逃げ回っていた。


「クッ、崖だな、、迎え撃つしかないか。

シロ!なるべく離れてろよ!!」

「ワォン」


 青年の前にはこちらに全力疾走で向かってくるヒグマがいる。それに対して青年がとった行動は。


「よし、柳生家が嫡男、柳生仁斗ヤギュウジント、迎え討つ!!」


 名乗りを野生のヒグマが聴くはずもなくそのまま突進してくるのを仁斗は避けもせずさやに納めた刀に手を当てじっと待った。距離にして約5メートルまで迫った時。ゆっくりと沈んだ 仁斗の身体が消えるような動きを見せ次の瞬間にはヒグマの横に居た。


「居合 一の型 影隠」

「ワウォーーーン!!」


 ヒグマの分厚い首を皮一枚のところまで切断し、そのまま血を振りながら納刀する仁斗の横ではシロが勝利の遠吠えをあげていた。


「ふぅ、、しっかし、この刀切れ味ヤバいな。さすが宝刀ってところか? シローどうだ?カッコよかっただろ?」

「ハッハッハッ!!ウォン!」

「うん、血の匂いで興奮してやがるな

よーし!シロ今日は熊肉だぞー!」


 さっきまでの緊迫した状況とは変わって、目の前の肉に変わり果てた熊を前に興奮していた。そのせいで気が付かなかった。後ろにあったはずの崖も、周囲の木々が変わっていた事も







 シロの背中に乗せていたポリエステルの最新ロープで熊の両足をくくり、木の上の方に掛けてゆっくり引っ張り上げていく、常人では上げれる重さではないが、生憎、仁斗はそれに当てはまらず引っ張り上げていく。そのまま血抜きをしながら大雑把に解体していく。肉が残った皮などはシロにあげ綺麗に食べていた。



「ふぅ。。ある程度食べたい部位は取ったし、残りはシロにあげるか!」

「ウォン!ハッハッハッ!」

「ハハハ、もっと大きくなるんだぞー!俺を乗せて走れるくらいにな!」

「クゥーン」

「なんだその情けない声は、まあ馬でも現代の馬ではなかなか俺を乗せれるやつは!いないしな!ハハッ!」






「それより、シロ?気づいてるか?ここどこなんだ?」









 熊との戦闘からすぐの事だった。見覚えのない道をクマを担ぎながら進み、すぐ近くの広げたとこで枯れ木に火打石で火を起こし、熊をかける木を探していた時。周りの木がまるで見覚えが無いことに気づいた。が、とりあえず無視しながら食べるために作業を優先した。

 組み立て式の焚き火台の上で熊肉を焼いては食べを繰り返し、約10kgくらい食べ終えたところで現実に引き戻された。












「ふむ。身を覚えのない木々にさっきからこちらを伺うような視線の数にこの森の小動物の視線ではない事を加味すると。。。」








「異世界に来れた?!!?」









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