第12話 『鏖殺魔猿の集落』
〔王国歴377年
前にも言ったが、俺は「異世界知識【微】」という『恩寵』によって、地球と呼ばれる惑星の日本と言う国で30歳で病没した男性の一生を追体験した事が有る。
それこそ、この世界では知り得ない色々な知識を得た。
その異世界の知識の中で、身近な事ながらも余りにも進んだ内容で驚いたのが人体や病気についての知識だ。
俺に人生を追体験させた彼が、死の病を発病した後に膨大な知識に触れる事の出来る「インターネット」という情報集合体? 知識統合体? を使って「病気」の事を手当たり次第に調べたせいで、自分の体の中の事を知った。
今、思い出しても、腹がキュッとなってしまう程に驚きの知識だった。
最終的に、彼は膵臓癌で亡くなったのだが、その死の瞬間まで経験したせいで、しばらくは自分の腹の中にも異物が生まれてしまうのではないか?と思ったくらいだ。
それで何が言いたいのかというと、
増殖して遂には宿主を殺す癌細胞と、増殖して周囲の
何となくだが似ている気がして仕方ない。
そして、
「群れの集落ごと討伐すべし」だ。
もし、群れの集落を残した場合、数年もしない内にその地域の
そして移住した先でも同じ事を繰り返すからだ。
正確な名称を忘れたが、虫の大量発生であらゆる植物が食われて草一本残されない現象に近い。
ついに発見した集落は、森の中を流れる川にほど近い崖の洞穴に造られていた。
洞穴は、開口部が2㍍くらいの高さで、横に10㍍ほど、奥行きは6㍍強と言った所だろう。
異世界で見たテレビという映像で、人類は大昔は洞穴で暮らす事が多かったという知識が有ったので不思議では無いなと思う。
また、倒木と葉っぱと枝を組み合わせて建てた、みすぼらしい10棟の小屋も洞穴から少しズレた位置に崖に沿う様に建っていた。
小屋は新しい様に見える。
多分だが、他の場所に住んでいた違う集落の群れもここに集めたんだろう。
洞穴前の土がむき出しの広場には、宴の後の片付けをしていないかの様に、食い散らかした骨などが散乱している。
片付けの習慣も無いなんて、文化程度の低い奴らだ。躾がなっていないな。
気配からして、
気配の揺らぎ方から昼寝でもしているのだろう。
周りにも気配が沢山有るが、起きているのは半分くらいか?
気配の1/3は大人になっていない
大体、
ここが根城で間違いない。
集落から見えない位置に移動して、更に巡回が有ったとしても見付からない様に下生えに囲まれた窪地で一旦腰を降ろした。
腰を降ろしたと言っても、すぐに動ける様に片膝を付けただけだが。
「前と同じ手順でいいな? 最初に大きな魔法をぶち込んで、混乱をしているところに突入する。最優先は
「ええ、前回と同じく、私とエッサが攪乱役で坊やが親玉狩りね」
「一番おいしい手柄はクソ坊主に譲るからさっさと片付けてくれよな。もし手に負えなかったらアタイが代わるぞ」
「リリーの前では汚い言葉は使うなよ。さあ、行こう」
2024-12-12公開
お読み頂き、誠に有難う御座います。
第13話の投稿予定は明日か明後日を目論んでいます。
とは言え、まだ1文字も書いていませんけどね(;^ω^)
今度こそ、討伐シーンを描くんじゃないかな?
と思う今日この頃(^^;)
これからも週に2話程度の頻度で(休みごとに書き上げて)投稿する予定です(評価が芳しくなければ頻度が落ちますのでご理解とご協力を賜わります様に伏してお願い申し上げ候)。
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