第13話 龍の扱い方
五年と五ヶ月。
エルピスがこの世界に来て経った月日の年数だ。
転生してから様々な事も有ったが、長いようで短い時間だったように思える。
最近ではようやく母の戦闘方法が理解できるようになり、この世界で一般的に流行っている敵の攻撃を受け流す体術ではなく、全てを見切った上で攻撃を仕掛ける超攻撃的な戦法にも慣れてきた頃合いだ。
一般の武術と母の使う武術の差、これは戦う相手の違いからだろう。
母は冒険者であり人類以外の敵とも頻繁に戦うため、攻撃を受け流すというのは戦闘に使用する戦い方としては実用的では無いから仕方ない。
しかも龍人の膂力さえあれば並大抵の敵は一撃で沈めることができるので、攻撃こそ最大の防御にもなる。
「美味しいですかエルピス様?」
「うん! フィトゥスの当番の日が一番楽しみなんだ」
「ま、負けた……? この私がフィトゥスに…ありえない」
「リリィ、貴方まだ負けを認めていなかったの」
そんな異世界基準で測っても普通ではない家に生まれたエルピスは、従妹が生まれたらしいとの報告を誕生日に親直々にされていた。
この五年間一切従妹に関係する話をされていなかったエルピスからすれば、そもそも親に兄弟が居た事すら知らなかったのだが、話に聞くとどうやら父に弟がいるらしい。
英雄の弟であり、エルピスからすれば叔父にあたるその人は、だが一体どんな人物なのか話を聞いたところで想像すらつかない。
(そういえばお爺ちゃんやお婆ちゃんの話も聞いたことがないが、いつか会いに行くのかな?)
「まぁうちでは一番フィトゥスが料理上手いから仕方ない。あ、そうそう今日は従妹に会いに行くぞエルピス」
噂をすればとは何度も言われてきたことだが、今回も例に漏れずどうやら向かうことになるらしい
まるで考えていたことを当てられた様ななんとも言えない気持ちだが、今さら両親が他人の思考を読めると言われても、そうだろうと納得できるのでそれについては軽く流す。
父が誕生日の時に言ってきたと言うことは近いうちに会う事は分かっていたのだが、なぜこのタイミングなのだろうか。
「急にどうしたのお父さん? 従妹が産まれたのは誕生日の時に聞いたけど、いままで会ってなかったのに急に会うなんて言い出して」
「いや、別に会ってなかったわけじゃないんだよ。ただ少しあいつの家に行こうと思うと、特殊な交通手段を使う必要が有ってな。
エルピスが成長するまで待ってくれって言ってたんだけど、そろそろ頃合いだろうと思ってさ」
ニッコリと顔に笑みを浮かべながらそう語るイロアスに対して、エルピスは頭の上に疑問符を浮かべた。
だがその疑問はイロアスの笑みによって有耶無耶になり、エルピスは疑問を抱きながらも再び食事を摂る。
今思えばこの時どう行った交通手段で行くのかさえ聞いて入れば、まだマシだったのだろうが。
今となっては後の祭りである。
/
「ーーほらエルピス、早く行かないと乗り遅れるわよ?」
王国郊外、龍の森から馬車で実に二時間。
この世界ではまだ近いとも言える距離を移動すると、エルピス達は広い平原に付いていた。
あたり一面が視認できる様なその平原には大きな倉庫がいくつか建てられており、外に無造作に立てかけられた乗り場という案内板だけがこの場所の存在を教えてくれる。
「やだっ! 絶対にそれだけは何がなんでも嫌だ!」
外行きの綺麗な服に着替えた母が急かすようにエルピスの手を引っ張るが、それをまるで幼い子供の様にエルピスは跳ね除ける。
それによってクリムの目に涙が浮かぶが、それすらも気にできないほどにエルピスは顔を青くしながら不安を口にした。
「お母さん……やっぱり龍に乗って移動するのはやめない? 高いとこなんて危ないじゃん。せめて自分の魔法を使って飛んじゃダメ?」
「なんだエルピス。怖いのか?」
「怖く無いわけ無いじゃん! なんで従妹の家に遊びに行くのに、龍に乗って行く必要が有るわけ!?」
遠いだけなら走ればすぐだ、この馬車を使ってのやけに長い移動だってエルピスが走れば三十分以内についたはずである。
龍種を使って移動するのだから相当な距離だろうが、いまのエルピスならば魔法的に強化された力を扱うことができるので、おそらく本気を出せば結構な速度が出せる自信がエルピスにはあった
だがクリムはそんな事お構いなしと冷たく事実を突きつける。
「だって遥か彼方の上空よ? 龍にでも乗らないと疲れちゃうわよ?」
「疲れる疲れないの問題じゃないよ! と言うか遥か彼方の上空って家どこにあるの!? 飛行石でも使って飛んでるの?」
「ほら駄々を捏ねないの。あと飛行石は使わないわよ、あれ取ってくるの大変なんだから」
「飛行石あるんだ……」
そう言いながらクリムはエルピスの背中を押して、龍の前へと誘っていく。
見た限り攻撃的な龍がいる様には見えないし、口に物を嵌められているため攻撃される心配も無いように思えるが、それでもこれだけの龍が立ち並ぶのはかなり壮観で、そして恐怖でも有る。
龍達の鋭い目付きはエルピスのつま先から頭までを舐めるように見渡すと、興味なさげに目を閉じていった。
「いま明らかになんだ食事じゃないのか……って顔されたんだけど!?」
「はいはい気のせい気のせい」
龍に乗るという余りにぶっ飛んだ交通手段を思い付いた誰かに殺意が湧くが、とは言え姿が見えない者に怒ってもしょうがないのでそれは水に流すとしよう。
だが龍に乗るのだけは嫌だ。
そもそも自分の力で動く訳じゃ無いのに、高速で動く龍に乗れる人の神経がよく理解出来ない。
そんなの安全性を何も考慮しないで作ったジェットコースターに乗る様なものでは無いか。
(いやまあ乗れるか乗れないかで言えば、ジェットコースター自体乗れないけれども!)
「良いから乗れってほら、慣れたら楽しいもんだぞ?」
「確かに空を飛びたいとはこの前なんとなく思ったけど、こう言う形はどうかと思うって言うか、僕頑張れば一人で空飛べるから大丈夫だよ! ね? だから一人で飛びたい~!!」
「空には龍がいっぱい飛んでるのよ? それに比べれば調教もされておとなしい龍なんか全然怖く無いでしょ?」
「龍なんか怖くないよ! ただその背中に乗るのだけは不安だから嫌だって言ってるの!!」
そんなエルピスの声を聞いたからか、はたまた龍など怖くないと言う言葉に感化されたのか、寝転んで居た龍達は首を持ち上げエルピスの事を見下ろす。
口が開けられず声も出せない為何を言いたいかは伝わってこないが、龍神の称号が思念に近い感情を拾い採りエルピスに伝えてくれる。
調子にのるなよ小僧ーーと。
だがそんな龍達の声にならない言葉も、エルピスの魔力の前にねじ伏せられる。
無意識に垂れ流す魔力でさえ、龍神たるエルピスの効果を受けたものだ。
たかたが人を背中に乗せる程度のちんけなプライドしか無い龍を黙らせるには、その力は十分すぎた。
「もしかしてだけど高い所が怖いのか?」
「怖いよ落ちたら死んじゃうんだよ!? ミンチになったら回復魔法もかからないんだからね!?」
「エルピス様可愛いですね」
「ええ、可愛らしいです」
「可愛いのは分かるけどここは心を鬼にするのよ、フィトゥスは右側をエラは左側を頼んだわよ」
「そもそも──ってなんでいつのまにか両手を抱えられて龍の方に連れていかれてるの!? 離して!」
乗せられている最中ですらギャアギャア騒ぐエルピスに対して、エラとフィトゥスは微笑ましい物を見る目で笑いながら、問答無用で背中に座らせた。
さすがにここまで反抗すれば普段なら代案を出す両親だが、母からすれば龍種は同族の様な物で有るため、出来るだけ慣れて欲しいという思いがあるのだろう。
それを何となくで感じ取ったエルピスは、諦めるしか無いかと抵抗する事なく龍の手綱を握る。
『何様だ人間よ。矮小な人間が我の背中に乗るなど身の程を知れ』
「フィトゥス…は何も言ってこないし、お父さん…ももう飛び立ったし。はぁ…飛ぶしかないのか」
『五月蝿いぞ人間、好き勝手言うのでは無い』
大人しそうな龍に乗せられ、空に飛び立つ為に精神統一して居たエルピスの耳に、かなり低い声が聞こえてくる。
いまのところ会った事のある龍種で喋るのは、森の長と呼ばれたかなりの上位種と見えたあの龍だけだったので龍の基準はよく分からないが、それに似た力を感じるのでおそらくはこの龍もかなりの力を持っているのだろう。
予想の範疇を超えては居ないものの、力ある龍がなぜこんな所に居るのかは分からないが、それを気にする余裕は今のエルピスには無く、龍に向かって静かに声をかける。
『そういうテンプレよろしくなのは良いから、なるべく安全で、怖くなくて、安全な方法でゆっくり飛べよ? 良いな? 安全だぞ?』
『その魔力……もしや龍神か? 神がいかにしてこんなところに』
『よく分かったね。分かったんならゆっくり飛んでよ、アクロバティック飛行したら羽もぐよ? あとそれで言ったら君もなんでこんなところに?』
『──龍神よ、魔力が漏れているぞ。先程は失礼した、安全飛行は約束しよう。それと我がここにいるのは口減らしの付き添いだ、龍の谷は食糧難なのだよ』
どうやってかエルピスの事を龍神だと見抜いたらしい龍は途端に大人しくなり、エルピスの言う事を聞くようになる。
力ある龍だから分かったのか、それとも目の前のこの個体が特別なのか、どちらかは判断しかねるが、いまのエルピスにとってはそれはあまり重要な事ではない。
重要なのはなぜこんなところに竜がいるのか、ついで本当に安全に飛行してくれるのかと言うところだ。
『ああ、そうだ一応私に加護を授けてくれ』
『加護? どうすんのそれって』
『我の額に手を当てて、魔力を流し込みながら血でも滴らせ。──良しこれで完了だな、行くぞ』
エルピスは把握できていない事だが、龍語の中でも比較的に古い言語で喋る龍に対して、エルピスの龍神の称号が自動的に発動する事で、エルピスの言葉は自動的に龍種の物に変わり意思の疎通が可能になっている。
まだ口に拘束具を付けられているのにペラペラと喋る龍種の額に血を垂らすと、龍の紋章が浮かびエルピスの手の甲と龍の頭に刻まれる。
これがこの世界において初めての契約となるのだが、エルピスはその事には気がつかない。
『ちょっと待って、心の準備と手の甲やら何やらに対しての疑問が──っ!!』
エルピスの言葉を聞き流しながら龍は、その白く染まった白銀の翼を掲げてゆっくりと大空へ飛び立つ。
瞬時に最高時速まで速度を上げて飛ぶ事の出来る龍種からすれば、超低速で空へと飛び立つのはかなり難しい飛び方だ。
だが幾つかステータスに記載されていない神の能力として、エルピスには騎乗系の#技能__スキル__#が付いている。
龍神の効果故に龍種限定のものだが、その効果は絶大でエルピスが頭で思い描くままに龍の事を飛ばすことに成功した。
まるで自らの手足の様に龍を操れる事に気付いたエルピスは、安心した様にほっと息を吐く。
母や父が同じ龍に乗らず違う龍に乗った理由が分からなかったのだが、おそらくエルピスが騎乗系の#技能__スキル__#を持っている事を何となく分かって居たのだろう。
飛び始めてから数分後、龍は静かに疑問を口にした。
『龍神よ、これから何処に向かうのだ?』
『先頭の龍が向かっている場所かな。俺も詳しくは教えてもらってない』
『先頭の龍と言うと……今から会うのはあの背中に乗った破龍の知り合いか。こういうのも何だが今から気が重いな』
『破龍? 確かに俺のお母さんは龍人だけど、そんなあだ名を付けられているの?』
『あだ名などと言う一部の物にしか伝わらない細かなものではない。破龍と言えば、龍種が認める災厄の内の一つとして有名になっているほどだ』
『災厄って……』
ーー冗談だよね?
無意識的にそう言いたくなるが、破龍という単語を龍が発した瞬間に前を飛ぶ龍の背中にいる母が確かに反応したのを、エルピスは見逃さなかった。
明らかに動揺の色が透けて見える母に対して、エルピスはせめて冗談であって欲しかったと思いながら、現実から逃げる様に遥か彼方の空を見つめるのだった。
/
結論から言えば従妹の家、そこは確かに天に浮かぶ島だった。
大きさはどらくらいだろうか、平常時のエルピスの〈気配察知〉の効果範囲は体調にもよるがおよそ10キロで、現在端が感知できないのでそれよりは遠い。
圧巻という言葉すら形容するには不十分な程のその島には、一際目立つ和風建築の家が建って居た。
周りに家が無い時点でかなり目立って居るのに、更に和風建築ともなるともう目立つ目立たない以前の問題だろう。
木で建てられた家を久々に上空から見下ろしていると、恐らくは庭なのだろう。
家のそばにあるかなり広大な土地の上を数回旋回したかと思うと、母がエルピス達に向かって声を出す。
「エルピス! あそこに降りるわよ~っ!!」
「分かったよお母さん! 頼んだぞ龍、ゆっくりな」
『まったく龍使いが荒いな。ーーこれで良いか? ふぅ、久々の移動で疲れた…我は少し休ませて貰う』
揺れすら感じさせない完璧な着地をした龍は、気怠そうにエルピスに対して言葉をかけるとそのままエルピスの影に消えていった。
どう考えてもエルピスの影に入れるような大きさでは無い龍が、なんの抵抗もなくすんなりと影の中に入れたことに、エルピスは疑問を抱く。
確かに先程の騎乗スキルの様に記述されて居ない龍神の能力ーーと言うより神の能力は幾つかあるのだろう。
だが影に隠れるという行為は、そのどれにも当てはまらない特殊なものに思える。
おそらく使えるとしたら、影に関連する魔物か妖怪くらいのものだろう。
自分の影を触りながら驚きの声をあげ、誰かに聞こうと後ろを振り向くと、まるで事前に聞かれる事を察知していた様にエルピスの側に寄り添う様にしてフィトゥスが立っていた。
「随分と好かれた様ですね、エルピス様。あの龍は影に住むことを好む龍ですが、かなり相性が良くなければ背にすら乗せてもらえないことで有名なのに」
「俺そんなに危ない龍の背中に乗ってたの? というか乗せられてたの? 何? 普段の嫌がらせのお返し? 僕泣くよ?」
「まぁ前日に奥様が龍達に対して"お願い,,なさってましたので、大丈夫かと。エルピス様は何も心配しなくて良かったのですよ。というか泣くのはやめてください、変なテンションになってるのは分かりますが、そんな事をされては私の心が折れます」
「母さん一体何してんのさ! あとフィトゥスのキャラはどこに行ったのさ……」
エルピスからしても母のお願いは怖くて逆らえないのに、龍達の間で破龍と呼ばれ恐れられているらしい母から、直々に
父と母が別の龍に乗ったのもそうした理由が関与しているのかもしれない。
そんな中気丈に振る舞っていたさっきまでの龍は凄いものだと感嘆しながら、エルピスは周囲の景色を眺める。
大地をそのままくり抜き天に浮かべた様なこの場所だが、咲く花や飛ぶ小動物達はどれも見た事のないものだ。
一応森の中に生えていた植物と同じ様なものが生えてはいるが、どちらかと言えばこの地に咲く花や草木の方が、大地に咲く花や草木より強く育っている気がする。
エルピスが周囲の景色に目を細めていると、家の扉が開き人がやってきた。
「やぁ兄さん、それに義姉さんも。わざわざ遠いところ来てもらって悪いね、俺から足を運びたかったんだけど…何分嫁の体調が優れなくてさ」
「気にすんなそれくらい。それよりダレン、自己紹介をさせたい奴がいる」
「ーー初めましてダレンさん、私はエルピス・アルヘオと申します。以後お見知り置きを」
和服姿と言うのが正しいのだろうか?
小・中学生の頃に着物を着用する着付け教室と言うものを行った際に、男性が着る物だと渡されて着た服にダレンの服装はかなり酷似していた。
綺麗な#黒髪__・__#と何処か日本人風の外見は、和服に異様な程似合っている。
ダレンの外見からはどういった種族なのかは判別出来なかったが、やはり強い者特有の気配は纏っていた。
この島についての話や色々と聞きたい事が山の様に有るが、取り敢えずは挨拶を優先して頭を下げたエルピスに対して、まるでクリムの様に知覚できない速度で近寄るとダレンはぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でた。
「何この子可愛いな! ちょっと待ってほっぺぷにぷにじゃん! 何これ可愛い!」
そのままダレンはエルピスの事を抱き上げると、クリムに負けない程の強さで頬擦りをした。
それを見てクリムは自慢げにダレンに対して言葉を発する。
「ふふん。何てったって私とイロアスの子供よ? 可愛いに決まってるじゃない!」
「ーーいやぁなんか意外って言うか。ぶっちゃけなんか凄いごつい子供が来るかと思ってたけど、想像の真逆だった」
「一体どう言う事かしら? 歯はしっかり食いしばるのよ?」
「いや、義姉さん。冗談だよ? 目! 目が怖い!? すいませんでしたっ! だから拳に魔力を溜めるのはやめて!」
灰色のオーラを拳に纏わせて金髪を逆だてる母さんの姿に、叔父さんは逃げる様にして家の中に入って行く。
その姿を見てため息をつきながら両親達が家の中に入っていった。
日本では見た事のない親戚同士の仲の良さを見せつけられて、エルピスは少し呆気に取られてしまう。
あんなに楽しそうにしている両親はあまり見た事がないし、フィトゥスやエラもダレンに信頼を寄せている様に見える。
この世界に来て初めて若干の嫉妬心が湧いsくるが、そんな気持ちは何処かに放り捨て、まだ見ぬ従妹の顔を見る事を楽しみにしながら、エルピスは木の香りのする家の中へと足を進めるのだった。
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