4章 秘境祭
第29話 前世の知識の有効活用
イズを疑ってしまった日であり獣人族が仲間になった日から一日が経った俺は、自室でイズと話をしていた。
「この前のレオンとの戦いで裏で手を引いている主とかいう奴が居ることが分かった。
そして、そいつは俺達を狙っている。
それ故に俺達は今よりも身を守らなければならない」
俺はそう言いながら指を3本立てる。
「その為に必要なのは力と、財力と、人脈だ。
力は足りているとして、人脈と財力が俺には全くと言っていいほど無い」
そう言うと、俺は今まで考えてきた提案をイズにすることにした。
「だから、俺の前世に存在した娯楽や料理をこの世界に持ってきて、商人と繋がり商品にする。
それによって財力と人脈を得れると思うんだが、イズはどう思う?」
俺が長々と話し、結論をイズに委ねると、イズは答えようと口を開いた。
《良いと思います。
財力も人脈も築けるでしょう》
俺はイズの承諾の言葉を聞き、早速行動に移るために、1つの商品を
《これは?》
「トランプだ。これを宣伝したチラシを作って、竜の姿になって飛び回り、各国にチラシを空から落としていく。
それで来てくれるかは分からないけどな」
俺はそう言うと、チラシを作り、約3日間俺はトランプを含めた料理や娯楽をこの村で出す事を記したチラシを空から各国に落としていくのだった。
獣人族が加わり村と言うより街に近くなった俺達の居場所に戻ってきた俺は、カグツチ達を集めてこれからの事を話す事にした。
「1週間後から、俺の知識で作ったある物を宣伝する祭りのようなものをするつもりだ。
この森以外の所から様々な人が来るかもしれないし、誰も来ないかも知れないが、俺はお前達にもその祭りを楽しんで欲しい。
なので、その祭りの時は仕事は気にせず、祭りを楽しんでくれ」
俺がそう言うと、殆どの者が頭を傾げていた。
「少し混乱させたか…祭りで出すのはこの世界にはなかった娯楽や料理だ。
それを提供できるのは唯一それを知っている俺だけだから、お前達が手伝える事は無い。
故に、仕事とか忘れて俺の提供する物を楽しめ」
俺がそう言うと、納得してくれたのか、笑顔で雄叫びをあげていた。
そして、世界中にあるチラシが空から舞い降りた。
『森羅の森に存在するとある街で貴方達の全く知らない未知の娯楽と料理が待っている。
未知の世界へ、秘境祭!!
1週間後に森羅の森中央に存在する街にて開催!!』
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