突然のタイムスリップ
僕、高校1年生の伊坂駿は平凡な男子高校生だ。
別に1軍なわけでもなく、3軍なわけでもなく、ほどよく中間のカーストに所属している。
僕の高校では、進学校の落ちこぼれが集まっている。
つまり、進学校には行けなかった者の集まりということだ。
当然僕もそうなわけだ。自ら望んでここを第一志望にしたたわけではない。
僕の学力が至らなかっただけだ。
って言ってもクラスで1番成績がいい。おまけに先生からの評価も良さげだ。
それはきっと、周りが真面目じゃなくなっていってしまったからだろう。
今のままだと誰でも真面目に見える。
きっと素は真面目なのに、落ちこぼれになった腹いせなのか、無駄にチャラチャラした人が多い。
だが、別にいじめなども聞いたことはなく、ピアスが空いていたり、髪色が違うくても先生も見て見ぬふりをしている。
面倒事には巻き込まれたくない、とでもいうかのように、先生達は生徒と積極的にコミュニケーションをとる人はいない。
そんなんで教卓に立たれるのが嫌でしかないが、落ちこぼれの運命だろう。
家に帰ると真っ先にお風呂に入る。
そしてご飯を食べて課題をこなしてから寝る。
これが僕の放課後ルーティンだ。
帰宅部なのに、なぜか帰るのがみんなと同じ。
ある日、うとうとしていたら、気がついたら寝ていた。
パーッと、光が視界に差し込んだかと思えば、目の前に黒板が現れた。
周りを見渡せば、どこかの学校の廊下のようだ。
机と椅子が丁寧に並んでいる教室が見える。
目の前の教室に入ることにした。
なぜなら、名簿に僕の名前が書いてあるからだ。
高校ではない。
……中学校だ。
ん?
僕は、今高校2年生のはずだ。
なぜここに…
あれ…?
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