第37話 バンジージャンプ

 救助を呼び、あと少しの所で問題が出てきた。

「あぁ、くそ!数が多すぎる。さばききれない」

「弾切れだ!誰か弾をくれ!」

「左胸を狙うんだ、少しでも弾を節約しろ!」

 戦いが長引くあまり、弾が無くなって来ている事だった。

「クソが、これじゃあ夜明けまで持たないぞ。永夢、なんか策とか無いのか?」

「チッ、そんなの言われても、こっちもこれで手一杯だ、救助を呼べただけまだマシだろ?」

 しかし、いくら思考を巡らせても、敵の数は増すばかり。

「(アイツらの狙いは僕だ、なら……やるしか無いか)」

 M16A4をドアの近くに立てかけ、マガジンを元晴に手渡した。

「ん?ありがとう。でも、お前どういうつもりだ?お前も必要だろ?

「コイツを持って行ったら邪魔になるからな」

「は?」

 意を決して僕は外に飛び出した。

「おい!永夢なにやってる!?早く戻って来い、死ぬぞ!」

 一三に呼び止めらた。

「奴らの狙いは僕だ、死ぬのは後一人で十分だろ?まぁ、無論死ぬつもりは無いけど。おい!ガラクタ共、僕はここだ!早く来いよ!」

「なんだ、なら良いや、バイバイ〜!」

「(少しは心配しろよ……)」

 外に出ると、ロボット達が一斉に僕の方を向いた。

「人気者は困るな」

 それと同時に森に駆け出した。

ガサガサ

 後ろで木々をかき分ける音がする。

「(確かこっちにあったはず……)」

 どれだけ走っただろうか、雑木林の中を走るのはかなり体力を使う。

「ゼェゼェ、まだか?」

 酸欠で目の前が少し暗くなって来た。ソレはそうだ、ろくに舗装されてすらいない森の中を、走っているのだから。

「ハァハァ、ここだ」

 そして目線の先には断崖絶壁が広がっていた。下を覗くと思わず足が竦む。

「スゥーハァー、大丈夫だ、大丈夫、、、、、」

 そして後ろからガサガサと物音がする。

「まじかよ、あいつら早すぎだろ」

 右手にガバメントを構え、左手でカランビットナイフを持つ。

 「来るなら来い、全員相手してやる」

 林の中から数体顔出した、その次の瞬間。

バンバンバァーン

 茂みで隠れてるであろう、コアに向かって速射する。この発砲により、4体は仕留めれた。

「まだまだぁ!」

カチカチッ

「チッ、弾切れか」

 すぐに新しい弾倉を装填する。だが、間に合わない。

ザシュ バン

 間に合わない、相手は全部コアを切り裂き、蹴り飛ばす。

カチャ カチ

 弾倉を装填し、スライドを引く。そして、そのまま森に向かって乱射する。

「オラ!おい!ガラクタ共!僕はここだ!(もう十分引きつけただろ)」

 もう敵が目と鼻の先にいる。

「フッ、スゥーーハァー」

 何故か分からないが笑みが溢れた。ゆっくりと息を吸い呼吸を整える、そして僕は

意を決して飛び降りた。


 

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