第11話

ーー 春 side


入学して初めて教室に入った時

めちゃくちゃカッコイイ人がいて

不良ばっかりの高校なのに、


サラサラな黒髪で、切れ長の二重の瞳、

筋の通った鼻、血色のいい唇、

肌はとても白かった。

言うなれば美少年


そんな近藤那月こんどうなつき

友達になりたいって思ったら

しつこい程声かけてた。


多分うざいって思われてただろうけど。


帰り道同じ方向だったからついて行ってたら

まさかの隣のマンションで驚いた!


しかも僕の家のマンションもまぁまぁ階数があるけど、

なっちゃんの家はその倍はあった。


結構お金持ちなのかな?と思いつつも

そんな子がこんな高校来ないか…と思い

考えるのをやめた。


入学式以降毎朝待ち伏せをして行ってたら

自然と会話もしてくれるようになって

3年目も同じクラスにもなれて

僕ってば幸せ〜


そんななっちゃんが食堂に来てから

キョロキョロしてるけど、

誰か探してるのかな?


友達は僕以外いないはずなのに…


探してる人がいなかったみたいで、

ガッカリしてるのが横目に見えた。


ー 春 side end

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