第5話

話したことのない奴らばかりなのに

何故俺と同じクラスで嬉しいんだ。


春ならまだしも

俺は周りと関わることがないのに。


座席は自由らしく

どこの席に座ろうか迷っていたところ、


「なっ、那月くん、は、春くん!

よよかったらこ、ここの席どうぞ!」と、


俺と春に窓際の後ろと2番目の席を

譲ってくれた。


「ありがと。」


たった一言お礼を言っただけで、

女子とその近くにいた友達がキャッキャしながら違う席へうつっていった。


「なっちゃんモテモテ〜」


春が揶揄うように言ってくる。


「モテてないだろ」と返せば、


「これだから無自覚さんは…」と


溜息を吐きながら首を振っていた。

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