黎明

第7話

重い…何かが身体に巻きついている。


ふと意識が浮上すると、

そこはいつも見る自分の部屋ではなかった。


「どこ!ここ!!!??」


慌てて飛び起きようとすると、

お腹に巻きついている腕に引き寄せられた。


「…うるせぇよ。」


「は、はい、すみません。」


大人しく謝ってみるが、

今この状況が全く身に覚えがない。


とりあえずまたベットに躰を預け、

隣にいる男を見る。


昨日一緒に飲んだイケメンだ…


長いまつ毛に縁取られた目は眠ってはいないようだが閉じられている。

昨日は美少年のようだったが、大人の男の人に言うのもなんだが、可愛らしかった。



男を見続けているとどのくらい経ったか分からないが、眉間にシワを寄せながら目を開く。


「お、おはよう…ござい ま す。」


「はよ。」


挨拶を返してくれた。

すると、チュッとリップ音を鳴らしながら、唇が重なる。


慌てて唇を拭いながら離れると

「昨日は散々自分からしてきたくせになぁ?」

鼻で笑いながら言ってきた。


そう言われても覚えてない…

二日酔いなのか身体がだるい。


ベットに沈む体を起こし、

シーツをめくると

自分の体には衣服が纏われていなかった。

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