第302話
不幸中の幸いなことに電話が終わったと同時に本宮さんが車内に戻ってきて助手席に座った。
「高瀬さん、お待たせして申し訳ないです!!腹減ってたんで、塩ラーメン食べてきました!!あまりの不味さに笑ってしまいましたわ!!」
「…………」
「いやぁ、まいった!!店主に聞いてもなにも知らんの一点張りでした!!お前のが怪しい言われましたわ。それはそうと御手洗から連絡ありました?」
「本宮さん……。思い出したことがあるんですけど……」
「はいはい!!なんですか?」
「私、勘違いしてたみたいなんです……」
「勘違い??」
「御手洗さんのことなんですけど……あの人は、殺人犯でもストーカーでもなくて私の勘違いでした……。というか……私が嘘ついてました……」
「へ?」
「申し訳ないです……。御手洗さんのことは全部嘘なんです。本当に、ごめんなさい……」
「高瀬さん?あなた、自分が何言ってるかわかってるんですか?」
「……わかってます。御手洗さんは悪くないんです。私から話すことはもうなにもないです」
「わかりました……。いや、さっぱりわかりません……。顔色悪いですけど大丈夫なんですか?もしかして、蓮のこと心配してるんですか?蓮なら大丈夫ですよ?私の家にいますから。今日は絶対に外に出るなとも伝えてあります。」
「主人と話がしたいので今日はもう家に帰ってもいいですか……?」
「いや、しかし……。まぁ、送っていきますよ……」
「大丈夫です……。タクシーで帰るのでここで降ります。本当に申し訳ありませんでした……」
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