第289話

本宮さんは、何一つ疑うことなく私の話を真剣に聞いてくれていた。全て話し終えたあと、何故か御手洗の冷笑した顔が頭を過り動悸が止まらなくなった。



今の会話を盗聴されていないだろうかという不安に襲われた。



スマホの電源はマンションを出たと同時に切ってある。今頃、御手洗は狂ったように私の家のインターフォンを鳴らし続けているような気がした。




蓮は大丈夫なのだろうか……。蓮を護衛してくれていた刑事たちは今は私と一緒に行動している。



だとしたら、いま蓮を守ってくれている人は誰もいない。その隙に御手洗は蓮を殺したりはしないだろうか……




そんなことはありえないけど絶対にないとも言いきれない。やっぱり駄目だ。悪い方向にしか考えられない……

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