第281話

「そうなんですか?」



「蓮っていうんだけど、俺のことが死ぬほど嫌いなやつでさ……。ほんでね?そのアホが俺の家と御手洗さんの家を間違えて荒らしたっぽくて。俺の部屋を荒らしたかったみたいよ?」



「なるほどです。ただ単に家を間違えたんですね。」



「なんせ、あの日は記憶なくなるぐらい酔っ払ってたみたいだし、死ぬほど反省してた。俺が言うのもなんだけど、蓮のこと許してあげてくれない……?親とも色々あるやつだから、警察だけは勘弁してあげてほしいんだけど……」



「言うはずないじゃないですか。警察なんかクソの役にも立たないんだから。ほんともう、警察なんかに頼ったらとんでもないことになりますよ。自分の身は自分で守るのが一番ですよ。」




私が警察と繋がってることはバレているはずがない。だけど御手洗の言葉は、まるで私に言っているかのように感じた。



やはり本宮さんを頼ったことは間違っていたのだろうか。そうだとしても、もう遅い。あの人に全てを賭けるしかないんだ。



「良かった。あとさ、御手洗さんってDiorのTシャツ持ってたよね?」



「持ってましたね。それがどうかした?」



「いや、なんか俺の嫁が全く同じ服着てたんだけどさ。なんでなのかなって……」

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