第265話
家に戻ってくると義母はキッチンテーブルの椅子に座って紅茶を飲んでいた。表情からして怒っているのが伝わった。
「遅くなってすみません……」
「紫乃ちゃん、おかえりなさい。健は、部屋でお父さんと電話してる。美羽ちゃんの家に泊まってたらしいわね。私も健も心配してたのよ?妊婦なんだから、お泊まりはできるだけ控えてくれないかしら。」
「ごめんなさい……」
「顔色あまり良くないけど体調は大丈夫なの?これから大変になると思うから、私が休みの日は家事とか手伝いにきてもいいかしら?健に言ったら来なくていいって怒られたんだけど。夕御飯作りにくるくらいならいいわよね?駄目かしら……」
「お気遣いありがとうございます。でも大丈夫です。全部自分でしますので……」
「そう?残念だわ……。辛かったらいつでも頼ってちょうだいね?美羽ちゃんと今日会ったけど、あのこも妊娠してるらしいわね?頼る人がいなくて不安だから色々と教えてって言われたの。相変わらず、人懐っこくて可愛いこね。紫乃ちゃんも、あのこぐらい私に懐いてくれたら嬉しいんだけど……」
「…………」
「それはそうと、紫乃ちゃんはどこの産婦人科行ってるの?健に聞いても教えてくれないのよ。そういうのは私も知っときたいから……」
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