第256話

美羽の手にはスマホが握られている。蓮のメッセージを見ていない可能性は低い。私の前だから無理して笑顔を作っているのだろうか。




「紫乃は、ベッドで寝て?この低反発めっちゃ気持ちいいから!私は畳で寝る!」



「私、畳でいいよ?」



「いいのいいの!!今日は、なんか畳で寝たい気分なの!!それより喧嘩の原因って何?また御手洗?」



「うん。もう私ら駄目かもしれない。喧嘩しない日がない……」



「ほんとありえないね、あいつ。どんだけ苦しめたら気がすむんだろ。御手洗もテッシーみたいに殺されたらいいのに!」



「テッシー?」



「青い薔薇男だよ。勅使河原!私、そいつのせいで胃に穴あくかと思ったもん。ほんと死んでくれて良かった。」

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