第250話

「弁護士でも、なんでも連れてきたらいいんだよ。まぁ100%来ないわ。それより御手洗と会ったの?」



「なんか無意識のうちに、御手洗の家に入ってた……」



「なんでそういうことすんの。てか、あいつになんかされた?」



「何もされてない。」



「何されたんだよ、言えよ。」



「何もされてないって!!話してただけだから!!」



「お前、勅使河原琉聖を殺した犯人は御手洗だと思ってるらしいね?」



「……なんで知ってんの?」



「健から全部聞いた。刺青の話とかも。わざわざ実家行って服まで脱がしたのに結局入ってなかったんだって?」



「入ってなかったけど私は確かに見たんだよね。健は全く信じてくれなかったんだけど。やっぱり、あのとき健をラーメン屋に連れていったらよかった。店主が見てたから……」



「健をラーメン屋に連れていかなかったのは正解だよ。御手洗は先手打ってるに決まってる。余計、状況は悪化してたと思うよ。」



「そうなのかな……。でもね?なんかもうわかんなくなってきた。寝不足で疲れてたし、刺青は見間違いだったのかもって思ったり……」



「俺は、おばちゃんの話を信じるよ。今は刺青シールとか普通に売ってんのよ。それ使ってたんじゃない?拳銃も偽物に決まってる。だから、あいつに怯える必要なんかない。どうせ、俺を殺すとか言われてるんでしょ?俺は絶対に殺されないから安心してよ。」



「そんなこと言って、本当に殺されたらどうすんの……?」



「殺されないって。こっちは、捜査一課の刑事がついてんのよ。絶対に御手洗の思い通りにはさせないから。」



「捜査一課……?」



「そそ。本宮は捜査一課。勅使河原琉聖の事件を任されてる。御手洗のことを相談したら、おばちゃんのこと心配してたよ。」



「……本宮って人に私が御手洗にされたこと全部話したの?」




「話したよ。俺の話だけじゃ全くわからないから一度おばちゃんと会ってゆっくり話聞きたいって言ってた。明日の夜9時ぐらいなら時間取れるみたいだから会ってきてほしい。その人なら、絶対に助けてくれるから。本宮は空手十段だけど、それ以上に強い部下もいるから、全力で守ってくれるよ。」

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