第166話

「医者の嫁なんて最高だね!!旦那仕事なにしてんの?外科医。うわー!!この台詞は、人生で一回言ってみたいわ!!」



「ごまかすなって。俺は、真剣だよ?」



「……………」



「この空気無理。早く返事ちょうだい。」



「……蓮って私のこと好きだったの?」



「好きだよ、ずっと好きだった。」



「……私好きな人がいるんだよね。もう何年も片想いしてる。その人以外は考えられない。だから、蓮とは付き合えない。ごめんね……?」



「全然いいよ、嘘だから。どんな反応するか試しただけ。ビックリした?」



「……はい?」



「イチコみたいな女、本気で好きになるはずないし。俺は、もっと穏やかで女の子っぽい子が好きなの。ドラえもんで言うならしずかちゃんね。ちみは、俺のなかでジャイアン以外の何者でもないから。」




「さ、さいていっ!!!!本気で悩んで損した!!!時間返せ!!心臓止まるかと思ったわ!!もうヤンキーに絡まれてても絶対助けてあげないから!!!」




「ごめんごめん。ちなみに、好きな人って誰なの?俺の知ってる人?」




雨夜あまや 翔和とわって人だよ。私たちと同じ中学で一つ上の先輩。めったに学校には来ないから、蓮は多分知らないと思う。」




「おもいっきり知っとる。いや、見たことはないんだけどね。なんかクラスの女子が休み時間の度にその名前出してキャーキャー騒いでる。芸能人並みにカッコいいらしいね。なんで学校来てないの?」




「理由はわかんない。でも家が蕎麦屋だから学校休んで毎日手伝ってるらしいよ。私は常連で昨日も食べてきた。」




「もしかして駅前の蕎麦屋?店員は、175センチ以上のイケメンしかいないって有名な店。」




「そこ!!蓮も行って見てきてよ!!もうほんとにカッコいいから!!一目惚れしたもん!!いや、顔よりも性格が好きなんだけどね?雨夜先輩は私にとって精神安定剤なの。バイト募集中の貼り紙してたから高校生になったら絶対そこで働くんだぁ。」

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