第118話

「ストーカー?ストーカーって、あのストーカーのことか?ほら、ナイキとかニャーバランスの、あれのことか?」




「おう、そうよ。ストーカーがどんなに恐ろしい人種かは、おっちゃんならわかるだろ?潰れかけの事務所でも、一応弁護士なんだから。とりあえずミタラシ団子が帰ってくる前に、この家から離れて?俺の車で送ってやるから。」




「なに寝ぼけたこと言ってんだ!!お前ほんとおかしいぞ!!なんか悩みでもあんのか??また借金か??無料で相談乗ってやるから言ってみろ!!それとも、あれか?御手洗さんの容姿に嫉妬してそんなこと言ってんのか??」



「はい??御手洗の顔なんか見たこともねえし興味もねえわ!!」



「うるさい!!それより、お前はなんで紫乃と一緒にいるんだ!!お前、キャバクラの美園ちゃんと同棲して寄生虫してるんだろ!!なんで、わしの娘と一緒にいるんだ??答えろ!!」



「美園て誰やねん!!俺はただ忘れ物届けにきただけだし!!」



「黙ってようと思ったが、言うぞ!!本当のこというとワシが今日、紫乃のマンションに行こうと思ったのは母さんに頼まれたからなんだ!!蓮と紫乃が不倫してるかもしれないから、それとなく紫乃に探りいれてこいってな!!そしたら娘の隣に蓮がいたから驚いたわ!!お前、まさか本当に不倫してんのか??」



「俺が不倫?何がどうなったら、そんな話になんの?」



「紫乃には内緒にしてたけどな!!わしの家と母さんの家に毎日のように手紙が届くんだよ!!娘が不倫してるって!!離婚届の紙と一緒にだ!!不倫なんてしてたら、わしは絶対に許さないぞ!!」




「笑う笑う!!謝って?その台詞、おっちゃんにだけは言われたくない!!不倫バレて泣きながら秋子に土下座しまくってた人が何えらそうに説教してんの!!」



「あ、あ、あれは違うんだ!!母さんが勝手に勘違いしてるだけで、わしは不倫なんかしてない!!今でも母さん一筋だ!!ただ一緒にフランス料理食べてただけなんだよ!!」



「うるさいうるさい!!どうでもいいわそんな話!!おっちゃんがこの家出ていかないなら、俺が娘借りていくから。今から二人でドライブ行ってくるわ!!行こ?」

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