(用語集)
# 用語集
(物語の進行に合わせて随時更新されます。全ての用語が説明されるわけではありません。ネタバレは含みません。また物語の理解に必要なだけの説明であるため、正確さについての保証はありません。しかし間違っているよりは正確なほうがよいと思うので、間違いがあればコメント等でご指摘ください)
AI: 一般に、人工知能を指す。本文で扱う。
AIチャット: 人工知能によって実現されたチャットボット全般を指す。実在するGPTチャット、
API: Application Programming Interfaceの略。用意された機能を使うために(何らかのアプリケーションが)呼び出す窓口。実現方法はどのようなものでもあり得るが、関数や、分散システムにおいてはネットワーク上のサービスとして提供されることが多い。
The Final Answer: 2033年5月1日22時(JST)頃、リーク公開されたWebサービス。AIチャットのような会話が可能だった。一時間で閉鎖された。
GPτチャット: または単にGPτ。2022年に開始された架空のAIチャットボット。当時最高性能を誇った。戦争を経て2033年時点でも使われている。
ID: 一般に、何かを識別するための記号。識別子。identifierの略。
NNN: The Final Answerを開発した架空のベンチャー企業。本社は東京。人材確保のため各地に研究所を持つ。本作の舞台となるNNN白馬研究所はそのひとつで長野県の研究拠点である。
OS: オペレーティングシステムの略で、基本ソフトと訳される。メモリ、ファイル、計算資源などデバイスの
Web: インターネットを使った文書などコンテンツを公開する仕組み。文書を配布するWebサーバ、文書を取得するプロトコル、文書そのものの記述言語であるHTMLなど、コンテンツを制御するJavaScript等、複数の規格・技術から構成される。標準規格であるため根強く、2033年においても(存在が危ぶまれているものの)現在とほぼ同等のものが存在している。
Webサービス: 一般にWeb技術を使ったネット上のサービス全般を指す。
WiFi: 正式にはWi-Fi。無線LAN(非公開の小規模ネットワーク)、暗号化、接続方法など複数の技術をまとめて無線ネットワークを利用しやすくした方式。本文中ではWiFiと記述されている。携帯電話の公衆ネットワークに比べて安価で高速であることから、依存性が高く中毒者の多いことは2033年においても同様である。
アンバサダー: 大使。広告を担うインフルエンサーなどを指す。本作においてはアンバサダー・プログラムに選ばれた招待客を示す。
インターネット: IPというプロトコルでネットワークやコンピュータを相互接続した広域ネットワーク。複数のネットワーク同士をも接続して単一のネットワークにしていることから、俗に「ネット」と言う場合はこのインターネットを示すことが多い。
関数: 数学的なブラックボックスで、入力(引数、パラメタ)と出力(戻り値、結果)を持つ写像である。計算機科学においては機能の表現方法や、抽象化のひとつであり、真偽を返す場合には述語とも考えられる。この多義性については本文で扱う。
機械学習: ML。AIのひとつのジャンルであり、人間を模した構造によらないもの。回帰問題やクラスタリングといった比較的小さな問題を解く方法について特化している点でデータサイエンスと関わりが深い。一般に、(深層学習の)モデルのような巨大ブラックボックスを持たない。
機械知性: AI。機械による擬似知性全般を指す。
グーゴル:架空の有力IT企業。検索サービスとしてスタートし、広告企業として大きな収入を誇る。スマホのOSベンダでもある。
グリッド: サーバなどのコンピュータを高度に相互接続したもの。トータルの計算能力が高まる。
固有ID: スマートフォンなど通信機器に書き込まれた契約者を識別するID。公開情報。書き換え不可能。リモートセンシングに対応し外部から読み出しのみ可能。(実在するIMEIやリモートID、iモードIDなどとは異なり)これに紐づく契約者の個人情報は国が独占管理するため、契約者情報を引けるのは国の機関のみ。本作の架空のID。
コンピュータ・サイエンス: 主に計算機の振る舞いを記述する学問。振る舞いの定量化やアルゴリズムの改善などを通じて、より効率的・安定的な技術の開発を是とする。
ジオフェンス: GPSなどを利用した仮想の囲いで、この範囲にある、またはこの範囲に出入りする機器を監視する。本作においては固有IDで実現され、位置情報は使用しない。
ジオフェンス令状: 2018年頃からアメリカで捜査のため、キャリアに対してGPSに基づく範囲内の携帯電話の契約者情報を無差別に提供させるために請求された実在の令状。2024年に3州で違憲判決。
集合: 一般に、何らかの要素を(順序性なく)集めたもの。数学では全ての実数からなる集合など、無限の大きさがあり得る。計算機科学の文脈では存在するデータについての順序性・重複なしの要素を集めたデータ型を意味することがあるが、本作では特にそこの違いについては気にしない。
信州国際大学: 長野県松本市にある総合大学。自由な気風と倍率の低さで北陸、北関東の学生に隠れた人気がある。
スマホ: スマートフォンの略称。フォがホになるゆらぎについては本作では扱わない。
スマートフォン: パソコンのようにアプリケーション(アプリ)を動かせる携帯電話。典型的にはタッチスクリーンを主体にした薄型の構造を持つ。バッテリー技術の改善がなかったため、2033年においても現在と大きな違いがない。本作ではiPhoneのように個別のブランディングをした機種もスマートフォンとして同列に扱われる。
スマートロック: 一般に鍵や暗証を利用せず、スマートフォンなどのデバイスで施錠・解錠をおこなう方式。またはその機構。
生成AI: AIのうち、〝推論〟によってデータを生成することに主眼をおいたモデル。ここでいうデータは画像、映像、テキスト(文章)などが含まれるが、この限りではない。AIチャットもこれに含まれるが、本作のテーマからは外れるため言葉のみの言及になる。
ソート: データ列を、(主に何らかの法則に従って)並べ替えること。
大規模言語モデル: LLM。(主に深層学習で)機械に多量のテキストを〝学習〟させたモデル。入力された文章の続きを生成することができる。従来テキストの学習には非常に長い時間がかかっていたものを、2020年頃から比較的短期間に数十から数百GBの巨大モデルを作り上げられたことに先進性があった。
中国語の部屋: 観念的なブラックボックスであり、入力(中国語で書かれた手紙)と出力(中国語で書かれた返事)を持つ。チューリングのイミテーション・ゲームに対して、よく設計された辞書による変換は中にいる人間が中国語を解すようであるが知性は非存在であるとし、イミテーション・ゲームの有効性の限界を示した。
ディープラーニング: 深層学習。AIのうち、モデルの層の数を三層より多くしたニューラルネットである。本作では積極的に扱わない。
データセンタ: またはデータセンター。サーバなどのコンピュータを収容した建物。一般的な商用データセンタでは厳しい立ち入り制限があり、所在も秘匿されていることが多い。
デバイス:一般に機器のこと。
トランジスタ: トランジスター、石などとも。半導体を接合させた、基本的な電子部品のひとつ。三つの足があり、信号の増幅やスイッチング(中央の足に電圧をかけることでスイッチをON/OFFするような効果)を行う。デジタル回路の最も基本的な部品であり、コンピュータやスマートフォンでは一台につき百億個から二百億個ほどのトランジスタが集積されている。
ニューラルネット: NN。AIを実現する仕組みのうち、神経回路を模した(あるいはそう考えられる)もの。かつての三層パーセプトロン、現在の深層学習がこれにあたる。
パラメータ: パラメタ、パラメーター、
プログラム: 計画、または進行の構成や順序を記したもの。コンピュータの文脈では、コンピュータの動きを詳細に示した計算手順(一般には、プログラミング言語によって書かれたもの)を指す。
プログラミング言語: プログラムを記述するのに作られた専用の言語。
モデル: 模型、型。本作の文脈においては機械学習によって得られた特徴・パラメータの集合を指すブラックボックスであり、入力(パラメタ)と出力(推論結果)を持つ。大きいほど複雑な問題を〝推論〟できると考えられる。本作の主要なテーマではないが、一部のみ本文で扱う。
リスト: 存在する要素を一列に並べた(または繋げた)もの。またはそのようなデータ構造。順序性があり、重複を許す。ある種の計算機において、非常に基礎的なデータ構造である。
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