計画(柊side)

噂は所詮、噂でしか無かった。

まあ、あまりにも噂と違いすぎて少し驚いているのだけれど。


葉桜陽菜。


初めて見た時、とても儚く、どこかに消えてしまいそうな印象を抱いた。


入学前から何となく、気になっていた1人。

噂ではあの容姿で、軽快な明るい性格であると聞き及んでいた。グイグイ来るのは好みでは無い。だけど顔はいいから気にしていた。


本命はもう1人の方。

小柄で可愛らしい容姿で小動物のような性格だと聞いていた。

そう聞いていたのだが…


「ふへへ、ハーレムエンドを、目指しちゃうゾ…」


鼻息も荒く、何やらよく分からない事をブツブツと呟く危険人物にしか見えない。

アレは、無いな。


落胆した私は入学式に向かうことにしたのだけど、1人の新入生と思わしき子が別の方へふらふらと歩いていくのを見て迷子かな、と思い後を追った。


キョロキョロと辺りを見回すその子に声を掛けた。


目が合った瞬間、私の心の中の何かが揺れ動いた。


事前に気になっていた葉桜陽菜ちゃんだ。

左右で違う色を宿したその瞳は困ったように私を見つめていた。


その瞳の向く先を独占したいと、そう思った。

無事に体育館に陽菜ちゃんを送り届けた後、すぐさま行動を開始した。


まずは寮に出向く。

新入生の部屋の割り当ての紙を回収し陽菜ちゃんに当てられるはずだった部屋を急遽、生徒会で使用することにした。


次に自分の部屋に戻り薬を調合する。

作るのは媚薬だ。

これを作るには高い技術力、高価な素材が必要で、簡単に作れる代物では無いのだが、できる限りのスピードで完成させた。


媚薬は受注生産だからストックが無い。だから今のうちに作らなければならないのだ。


…そろそろ寮に新入生が来る頃だ。


タイミングを見計らって部屋が無くて困っている陽菜ちゃんの元へ向かう。


ごめんね、困らせて。でもしょうがないの。


そして都合のいい事にその辺の生徒たちよりも少しばかり信頼度が高かったみたいで陽菜ちゃんからルームメイトを申し出てくれた。


話していると陽菜ちゃんがどんな子なのかがわかってくる。

明るい性格だと聞いていたけどすごく大人しいし、小動物感があって可愛らしい。


そんなとても可愛らしい陽菜ちゃんと部屋に向かい軽く部屋の中を説明する。好奇心はある程度あるようで私の調合室に興味を示した。


内心ごめんね、と思いながらも体力回復薬と偽って媚薬を飲ませた。…見るからに媚薬っぽい色合いだけど飲んでくれた。


さっきまでは罪悪感が少しばかりあったが、陽菜ちゃんが媚薬を飲んでからは、はやる鼓動を抑えるのに必死だった。


いつも私が寝ているベットで横になる陽菜ちゃんを見ていると我慢が効かなくなってきた。


既に意識がふわふわとしてきている陽菜ちゃんを優しく押し倒し絹のような肌を撫でる。

顔を赤らめる陽菜ちゃんを見ていると加虐欲が湧いてきて、私のさっきまで行ってきた悪行をバラした。


最後には少し怯えた表情になってきてとても興奮した。媚薬を飲ませてるから感度も高いし、快感には逆らえないみたいで軽く体を撫でるだけでビクッとする。


本当は朝までじっくり堪能したかったけど明日への影響を熱心に語る陽菜ちゃんのことを考えて条件付きで手加減してあげることになった。


キスから始めると全然慣れてない陽菜ちゃんは息ができなかったみたいで抗議の目線を送ってくる。それも無視してキスを続けると体をパシパシと叩いて可愛らしく抗議行動をとった。


…初々しい。かわいい。めちゃめちゃにしたい。


知能指数が著しく下がるのを感じる。


そして濃厚な夜は過ぎていった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・ワンポイント・

次回も柊視点です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る