第25話
平良門は、平安時代中期の伝説上の人物であり、また妖怪としても語られることの多い存在です。伝承において、彼は「新皇」と呼ばれた平将門の長男であり、将門の死後、父の遺志を継ぐべく立ち上がるものの、その結末は謎に包まれています。良門の物語は、武将としての戦闘力だけでなく、彼が操る怪異の存在にも注目されています。彼が従える妖怪たちは、いずれも古代の伝説や怪異譚に登場する強力な存在であり、良門を支える存在として描かれます。
土蜘蛛(つちぐも)
土蜘蛛は、大地に住む恐ろしい妖怪で、巨大な蜘蛛の姿をしています。伝説では、特に山中や荒れ地に現れ、身の回りの人々を攫ったり、力を奪ったりする恐ろしい存在とされています。良門はこの土蜘蛛を手下にして、戦闘で敵を翻弄したり、恐怖を与えたりします。土蜘蛛の糸で縛られる者は逃れられず、命を奪われる運命にあるとも言われます。
鵺(ぬえ)
鵺は、さまざまな動物の特徴を持つ妖怪で、虎の頭、猿の顔、狸の体、蛇の尾を持つとされ、夜にその鳴き声で恐怖を振りまきます。鵺の鳴き声は病や災厄を引き起こすと信じられており、平良門が従えることで、その強力な声や力を操り、戦闘や策略に活かすことができたとされています。鵺の存在は、平安時代の人々にとっては、暗闇や不吉な予兆を象徴するものでした。
どろろ
「どろろ」は、身体の一部を失った少年で、妖怪や鬼を退治するためにその欠損した部位を取り戻す冒険に出る物語で知られています。良門の伝説においては、このどろろが彼の手助けをする姿が描かれることがあります。どろろの持つ特殊な力やその過酷な運命が、良門の支配する妖怪たちに新たな視点を与え、彼の戦闘能力を補完する役割を果たすのです。
輪入道(わにゅうどう)
輪入道は、巨大な輪を使って戦う鬼のような存在で、その輪は時に物理的な力を持ち、時には魔力を帯びるとされています。良門がこの輪入道を従えることで、戦の際にその輪を巧みに操り、敵を捕らえたり、戦場を支配したりする力を得ると考えられます。輪入道は、もともと妖怪や鬼を操る技術を持っているため、良門の手下として非常に有力な存在です。
餓者髑髏(がしゃどくろ)
餓者髑髏は、飢えた骸骨の妖怪で、死者の霊を引き寄せて食らう存在として知られています。彼の登場は、良門の支配する死者や霊の力を象徴し、死者の軍勢や魂を召喚する能力を持つとされています。餓者髑髏は、その飢えを満たすために死者を捕らえ、良門の軍勢をより強力にするために活用される存在です。
低地の大蛇(ていちのおろち)
低地の大蛇は、巨大な蛇の姿をした妖怪で、特に沼地や湿地帯に現れます。その強大な力と蛇特有の鋭い感覚で、良門の命令に従い、敵を威圧し、戦の前線で活躍します。大蛇の存在は、自然の力を象徴し、良門が操ることにより、その力を戦闘において大いに活用することができました。
地蔵首(じぞうくび)
地蔵首は、地蔵菩薩の像の首が取れ、動き回る妖怪です。地蔵菩薩が信仰の対象であるため、地蔵首はその神聖さと恐怖を併せ持つ存在として描かれます。良門がこの地蔵首を従えているということは、彼が神仏の力をも利用し、恐ろしい力を手に入れたことを意味します。地蔵首は、戦闘においてその神秘的な力で敵を圧倒する役割を果たします。
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これらの妖怪や怪異たちは、平良門が支配し、使役することで、その力を増大させ、戦場や策略において絶大な影響を及ぼします。彼の名は、父平将門の影響を受け、またその恐ろしい手下たちによって一層強化され、伝説として語り継がれることとなります。
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