短歌まとめ
天鵞絨リィン
2024.10
はじめから無かったことにしてほしい恋も仕事も命もすべて
頓服を飲み切ったこと/泣いたこと/あすも命があるということ
仕事にでも従事していれば良いかしらあすのことも忘れられるかしら
十億円(なんて非現実な額!)あったら[/なければ]結婚[/ -しない]
爆弾を抱いていることも秘密にしたままそっと絶たれた命
わがままを言えないままで結局さ一緒になってとも縋れないね
花束を買って幸せなふりをする花言葉もきっと祝っている
幸せじゃないといけないところたち 花屋/ケーキ屋/きみのバイト先
爪先をみどりに塗った添える手がなににも似合う気がしたいから
傷だらけの壁を見ているどうしても深夜三時の記憶が無くて
好きで好きで仕方なかったはずなのに(恋のひとつが未だできない)
小指などに絡まっている糸類を切り落とすだけのお仕事に就く
天界からcupidを派遣されたけど恋じゃなければ範囲外でしょ?
幸せを態度で示す時が来た! ちょうど屋上に着いたところ!
iPhoneを小さなスピーカーにして夜の気分を味わっている
殺風景だねと言われた部屋だけどきみの写真がこっそりあるよ
家の方が心地良いのは相対的な話ですから 話は以上
来世ではパンダに生まれたくないな人に噛み付く権利も無さそう
トランプが床に撒かれて運命を番にしろと言われているよう
勘違いしたままでいてわたしのこと汚いんだって知らないでいて
眠いってなんだったっけ胃の中を溶けてくマイスリー規定量
きみのことイメージして調合をした香水を硬い枕に振った
感情の機微が最初からすべてテキストファイルになってたらなぁ
愛なんてあっても無くても変わらないなんて宣う愛されたひと
エアコンで冷え切った部屋 青空が熱く光るから泣いてしまう
ルネスタの残薬を飲み眠れない眠れない眠れないのはなぜ?
気になって買った詩集の数々が学校内で禁書になった
先生がぜんぶ正しいわけじゃない(でもわたしより少し正しい)
ぼろぼろの爪でピアノを弾いてたらどうしたのって先生、唯一
アルコールすべて殺して汚穢だと喘ぐわたしを早く殺して
どうしても愛していたと言い難い人間だっているだろ別に
苦痛への眼差し光るきみでさえ貫いてくるおこないがある
Virtualな世界に現れるためにこんなに金をかけてるなんて
神様は人型なのかわたしとは違って健康な身体なのか
宇宙からキャトりに来てよそのついでにわたしの故郷を壊していって
ただきみを指折り待つよアブダクションするならきっと金曜の夜
吐きながら学び続けた先にあるのは馬鹿だっていう事実だけだし
そんな目でずっと見ていてそんな目で無くても良いよずっと見ていて
顎下をぱっくり裂かれる想像をしてはこっそり息を吐いてる
空想の中だけでずっと抱き締めてわたしはそっといなくなります
頭の中に靄がかかっていることがわたしにとっては普通だからな
きみの好きな音楽だけを聴いてたらきみと別れた後どうなるの?
気が散らないためにスマホを伏せている光った時に気がつきたくない
フィルムみたく巻き戻してよきみはもうフィルムを知らない世代だけれど
嘘で良いから優しくされていたいかほんとのことで傷つきたいか
耳鳴りにノイズが絡まるなんだよもうひとの調べを邪魔しないでよ
聴くだけで気が狂いそうな音楽でやっと正気を取り戻したよ
はにかんでるところを狙い振りかぶり真っ白な歯をへし折ってやる
立ち込めるシーケービーの残り香で破裂しそうな恋の燃えかす
ほどくほどの髪が無いから女だと分かってもらえなかった日とか
死んだからごめんなさいが言えなくてそれだけずっと悔やんでいてよ
細々と死にたいって口に出したらまるで本気で死にたいみたい
アルフォートの箱に百万円を入れきみを殴って気絶させたい
喉仏を光る万年筆で刺し吹き出したちできみの名を書く
着物屋で買った着物を泣きながら汚い部屋で腐らせていく
好きなひとと一緒になるってなんですか? 最中とかに取り込むんですか?
半分に折った折り紙も歪でわたしのつるはきっと飛ばない
殺してくれ!(わたしが死んだら泣くひとの命を奪った後が良いけど)
豊満に語彙があるのにその中からそんなことばを選んだ理由
早く寝たい早く寝たい早く寝たいよ早く寝たいだけなのにどうして
眠ったらなにか変わるか? 明日こそなにか変わるか? 変わるか? 変われ
ボールペンに当たり散らかしてはいけない頭が痛い頭が痛い
明日への道をなぞってその通りいったことなど一度も無いが
夏だから早く死にたいまぁ夏じゃなくてもいつでも死にたいけどね
もう首が上手く回らず転けていく狭間できみに笑われていたい
手首手首手首手首手首手首を手首を手首を切れない 手首
パンケーキを食べたくないよ女子力も人権もぜんぶ関係無いよ
刺して。刺して。刺して。刺して。刺して。刺して。フルーツナイフでわたしを刺して。
ペンのインクが分かりやすく減ると嬉しいみたいな感覚が近いかなぁ
残響をきみの声だと錯覚して夜の車道にとびだしている
forigiveとpermitの違いも知らずゆるすゆるすと嘯いている
高級なビタミンCの錠剤をODしたら綺麗になれる?
こんなこと嘘で言えると思うのかそこまで暇じゃないんだけどな
友達の期限はいつか指切りは死んだ後でも有効なのか
眠剤を飲みすぎた夜の悪夢には必ず出てくる恋人がいる
わがままを言った言わないのレベルでわたしと張り合わないでほしい
段々と星が溢れていく前に早く殺してくれはしないか
幸福を呼ぶらしい猫が今朝きみの「手違い」により逃げたんだって
カーニバル舞っておくれよ独りだけでこうして泣いてるわたしのために
きみのスマホのブックマークを押下してわたしに似た子がいないか探す
きみの持つカリスマ性に似たものがただの虚心だと知った今朝より
薄々と下着を見せるきみのこと見てる奴らを次々殺す
眠りたい やることも特に無いわけで意識があってもつらいだけだよ
友人の子どもにあげるメモ帳に知らない英単語があり 吐いた
トラブルにならなきゃ良いね。そんなことほんとは思ってないんだけどね。
きみのものだという自覚があるから早くきみが殺してくれよ
首が絞まり良かったねと嘲笑われて吐息が絡むラブホテルにて
早く脱いでカルバンクラインの下着を世界で一番憎んでいるの
意外でもなんでも無いかもしれないが手首も腕も切ったこと無い
死んでくれと愛情まみれの花束で頭と腹をメインに殴る
ねぇ助手くん、ここまできてもまたわたしが犯人だってわからないかい?
目録に記されていない名前だけ抽出をして出汁にして飲む
栞ばかりきみはくれるねいつだっけ読書が趣味って嘘をついたの
Amazonの段ボール箱のしたり顔を殴って殴って殴って歪ます
丸つけをしていた赤いペン先で手首をなぞりお守りにする
うるさい死ねと赤色のネイルを割られ爪は呼吸をするのだろうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます