正義という疑念の狭間に

プロローグ

正義とは、何だろうか。

　言葉としての正義は、辞書を引けば答えを示してくれるだろう。しかし、それらは、抽象的な表現であり、具体的には正義が何たるかを示してはいないのだ。

　誰も何も知らない。形骸化した正義という概念だけが、独り歩きしているに過ぎない。

　だからこそ、人々は正義を都合良く解釈し、都合良く振りかざしている。

　そこにあるのは正義でも何でもない個人の思惑のみが蔓延っている。

　俺はいつだって有るべき正義を探している。