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「ほら、亜古ちゃん冷めない内に食べて」


「はい、ありがとうございます」


 私がダイニングのイスに座ると、顔を洗い終えて戻ってきた康も私の隣に座って小さな声で「いただきます」と言ってから黙々と食べ始めた。


「いただきます!」


 サラダ、ベーコンエッグにロールパン。

 そして、ミルクティ。

 美味しくて幸せで頬が緩んでしまう。


「”健康ママ”とっても美味しいです!」


「亜古ちゃんありがとう!そんな言葉、健も康も言ってくれないから嬉しいわぁ。やっぱり女の子はいいわね」


 そんなやり取りを見てた向かい側に座ってる健くんが、コーヒーの入ったマグカップを片手に笑い出す。

「亜古!その”健康ママ”っていうの笑えるから外では言うなよ。何も知らない人が聞いたらどんな元気なママなんだ?って振り向くから」


「えーでも。健くんと康のママだから……」


「健ママか康ママでいいんじゃねぇの?」


「うーん……」


 健くんと康くんどちらかだけの名前だけで言うのって抵抗あるな。

 難しい顔をしてる私を見て健くんがまた笑った。

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