第4話
スーパーのすぐ近くにある小さな公園。
少し距離をあけてベンチに座り話をする。
当然なんだろうけど、先輩は私の名前すらまともに覚えていなくて改めてショックを受けた。
中学時代の話、私の高校の話、先輩の高校の話、先輩の進路の話、色々話をした。
中学1年の時に見ているだけの恋をしていた先輩と初めてまともに話す事ができた。
先輩はすごく話すのが上手で。
相変わらず爽やかに笑っていて。
高校3年生になった先輩は、さらにかっこよくなっていた。
夜の公園で2人きり。
そうなんですかーあははーって話して笑っている途中、先輩が突然チュッとキスをしてきた。
「!!」
えぇ!?えぇーっ!?
突然のキスに驚いて固まっている私に先輩はまたキスをしてきた。
ど、ど、ど、どうしたら……!?
「目開けてんなよ」
先輩がぷっと笑った。
「え、…もしかして初めて!?」
「…はい」
私はコクリと頷いたままの顔を上げる事が出来なかった。
「マジかよ~」
と笑う先輩は、俯く私の顔を覗き込んで
「顔、真っ赤じゃん」
と言ってまたキスをしてきた。
「アハハっ、かーわいーな」
「……」
顔と唇が熱くて熱くて倒れそうだった。
そう。
これが私のファーストキス。
ちょっと恥ずかしかったけど嬉しかった。
ずっと憧れてた先輩にキスされて嬉しかった。
ファーストキスが先輩で良かったと思った。
その先輩には笑われちゃったけど。
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