月刊！田村と近藤

3月号

『田村ぁ。この後飲み行かねえ？』

今日は3月14日。

ホワイトデー。

知らねーフリして誘うっきゃない。

やばい…ムラムラ…違う、ドキドキする。

田村がくれたのは義理チョコだったけどな。

めっちゃウマい手作りチョコだったけどな。

「えっ？」

今日？今日ってホワイトデーだけど…

え、でも近藤さん、いつもと変わらないし。

ホワイトデーだってわかってない感じ？

これは期待しない方がいいっぽい。

私があげたの義理チョコだし。

「いいですよ？暇なんで！」

やだもう。

なんで暇なんでとか言っちゃうんだろ。

『おー。ちょうどよかった。行くべ行くべ』

暇なんでってなんだよ。

もっと嬉しそうにしてくれると思ったんだけどな。

「近藤さん」

うーわ。この顔マジかわいい。好き。

『なんだよ』

あーこの「なんだよ」もたまんない100点。大好き。

思い切って言っちゃお。

「今日ホワイトデーですよ？お返しくれないんですかー？」

『はあ？そんなモンねーよ！あれ義理チョコだろ？』

ウソだよ。

あるよ。用意してあんだよ。

「…あー！ですよね！あれ義理チョコですもん」

やだ…なんかショック…。

『……』

え…マジか…

田村今ちょっと泣きそうになってたぞ！？

やべーな。これはやべーな。

渡すなら今しかない。

『ほれ。コレやるよ』

「え、」

近藤さん！？お返しくれるの？

『パチンコの景品』

んなわけねーだろ。

ネットで調べまくって買ったんだよ。

受け取ってくれよ。

笑ってくれよ田村。

「やだー！ありがとうございますー！何打ったんですかー？」

あ、笑った。

こういうとこマジで好き。

マジでかわいい。好き。

「開けてもいいですか？」

パチンコの景品にこんなブランドあるの？

こんな綺麗にラッピングしてあるの？

やだコレ絶対ネックレスじゃん！

ちょー嬉しいどうしよう！

「パチンコの景品にこんな素敵なのあるんですね！」

ねーよ！

あーかわいい。

「近藤さん、付けてくれませんか？」

髪の毛をこうして持ち上げて…ちょっとお色気作戦…うふっ。

『はあー？自分で付けろ』

できるかボケぇ！

エロいエロすぎる！

「えー近藤さんのケチー！バカー！」

だめだった…

近藤さんに私のお色気は通用しなかった…。

『バカとはなんだ！』

バカはどっちだ！

抱くぞコノヤロウ！