第4話

私がポッキーを咥えようとすると


「もうポッキーいらない」


と言ってチュッチュッと何度も何度もキスをしてくるコウヘイ。



「…ちょっと待って。このポッキーだけ食べさせて」


私は右手のポッキーをコウヘイに見せた。


「……」


するとそのポッキーをパクっと咥えたコウヘイ。


「ん」


と言ってまた私に超絶かわいい顔を向けるから、さっきみたいに超高速で食べてそのままキスしちゃおうと思っていたら



ポリポリポリポリーッ!



とものすごい勢いで残りわずか数センチくらいまで食べてしまったコウヘイ。


超短くなったポッキーを咥えたコウヘイが顔を近付けてきた。


あと少ししかないポッキーに私が顔を近付けた瞬間、コウヘイがヒュ、と食べてしまった。


「あ」


「ふふん」


ニッと笑ったコウヘイは私を強く抱きしめるとキスをしてきた。



「ん…」




なにこれ…幸せ…


頭も胸も…身体が熱くて爆発しそう…


好き…コウヘイ…大好き…


なんでこんな事するのコウヘイ…


やだもう…また更に好きになっちゃった…




「ポッキー…美味しかったでしょ?」


「うん」


「チョコ、美味しいでしょ?好きになった?」


「うん」


「良かった~」


「…今度プリッツでしよ?トマトの」


「今買いに行く?プリッツ。トマトの」


「行かない。今日はもうどこにも行かない」



そう言って私の服の中にゆっくりと手を入れてきたチョコ嫌いを克服したコウヘイのキスはとっても甘くなっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る